故盧武鉉元大統領の名誉を傷つけた疑いでチョ・ヒョノ(58)元警察庁長官に控訴審で懲役8ヶ月を宣告した裁判所がチョ前庁長に 「国論を分裂させておきながらも真剣な反省がない」と叱った。
ソウル中央地裁刑事控訴1部(裁判長 チョン・ジュヘ)は26日‘盧武鉉元大統領が自ら命を絶つ前日に巨額の借名口座が発見された’という発言をした疑い(死者名誉毀損)で起訴されたチョ元庁長に懲役10ヶ月を宣告した原審より低い懲役8ヶ月の実刑を宣告し、チョ元庁長の保釈を取り消し再拘束した。
裁判所は30分間にわたり判決理由を説明しながら、最後に 「一般人が分かり難い情報を多く知りうる被告人の地位から見る時、国民は被告人の発言に具体的根拠があると予想してその話を信じる他はなかった。 盧前大統領の死亡原因に疑惑を呼び起こすに充分だった」と話した。 続けて「被告人の正確でない発言により遺族たちに精神的苦痛を抱かせたし、当時の捜査に対する多くの疑惑を広め盧前大統領の支持者と批判者の間に衝突を起こし、国論を分裂させる契機となった」と指摘した。
裁判所はまた「もし被告人が問題が大きくなった後に誤りを認め、真剣な謝罪をしたとすればこの位置に立っただろうかという気がする。 しかし被告人は何度も主張を変え責任回避のために弁解で一貫した。 本人は正当だと主張しながら遺族たちには告訴の取下げを要求するだけで、直接謝罪もしなかった」と叱責した。
裁判所は判決とは別に、裁判に対する所感を明らかにして注目を集めた。 裁判所は「盧武鉉大統領の突然の死亡で捜査は終結し、記録は歴史の中に埋められた。 もし捜査が進行されたとすれば新しい金品授受事実が発見されたかもしれないと論じることは無意味だ。 検事と被告人が共に国民和合に言及している。 今後これ以上根拠のない主張で国民和合を害する消耗的主張が繰り返されないことを願う。 元職大統領が側近不正などで捜査対象になる不幸な歴史が繰り返されないよう願う」と話した。
この日の法廷は宣告を傍聴に来た人々でぎっしりと埋まった。 宣告が終わるやある傍聴人は「死んだ人を非難しておいて懲役8ヶ月はあまりに軽い」と大声をあげ、裁判所の警告を受けもした。 拍手する人もいた。 チョ前庁長は心の準備ができているように淡々とした表情で法廷を出て拘置所へ向かった。
イ・ギョンミ記者 kmlee@hani.co.kr