国内でCOVID-19(コロナ19)に感染した3人の患者が12日、新たに退院した。国内の患者は、概して初期の段階で陽性判定を受け、症状が比較的軽微で、これで退院患者は7人に増えた。退院患者を治療した医療陣はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染症治療薬の「カレトラ」が症状の好転に効果があったとし、肺炎の症状がある患者に積極的に活用することを提案した。
京畿道高陽(コヤン)のミョンジ病院で治療を受けていた3人目の患者(54、韓国人男性)と17人目の患者(37、韓国人男性)、全羅北道益山(イクサン)の円光大学病院に入院していた8人目の患者(62、韓国人女性)はこの日、隔離解除が決まったことにより退院した。現在、ミョンジ病院では28人目の患者(31、中国人女性)も治療を受けているが、症状がほとんどない状態だ。
ミョンジ病院のイ・ワンジュン理事長はこの日、記者懇談会を開き、「3人目の患者には入院8日目からカレトラを投与した」とし、「投薬の翌日から新型コロナウイルスの検出量が減少し、肺炎の症状も好転した」と説明した。カレトラはHIVの増殖に必要な酵素(タンパク質分解酵素)の活性を抑制する薬だ。ミョンジ病院診断検査医学科のイム・ジェギュン教授は「高齢や血圧、糖尿などの基礎疾患があるコロナ19の患者の中でも、肺炎の症状がある高危険群に対しては、初期段階からHIV感染症治療薬の投与が積極的に考慮されるべき」とし、「臨床的な効能を証明するためには、より多くの研究が待たれる」と強調した。ミョンジ病院は3人目の患者の治療過程を記した研究論文を国際学術誌(JKMS)に発表する予定だ。
イ・ワンジュン理事長はまた、28人目の患者について、「この患者は特異状況ではなく、症状自体が非常に軽微だったとみられる」とし、「(医療陣は)回復期に感染判定を下されたケースとの見解で一致している」と述べた。28人目の患者は3人目の患者の知人で、二人の最後の接触が先月25日だということが伝わると、14日とされる最長潜伏期間に対する疑問が巻き起こった。
これと関連し、保健当局は28人目の患者のケースのように、症状が現れていないものの感染している接触者が存在し得ると見て、自宅隔離の解除手続きの補完策を検討することにした。2次感染は大半が家族や知人などの間で起こるが、接触程度が濃密と考えられるケースについてはさらなる管理が必要なのではないかという見解が出てきたためだ。先に保健当局は、28人目の患者は感染確認前に自宅隔離期間が過ぎているが、3人目の患者と濃密に接触しているため、隔離解除には慎重な態度を示している。中央防疫対策本部のチョン・ウンギョン本部長はこの日の定例ブリーフィングで「接触者のうち陽性と確認された11人は、家族であったり、患者と長い時間を過ごした知人が大半だ。こうした人は感染する確率が高いということと、現れる症状が軽微だということを考慮し、自宅隔離を解除する時に診断検査をすることを内部的に検討している」と述べた。
中国国内で、2月末に絶頂期を迎え4月には終息するという見通しが出ていることについて、チョン本部長は「中国の患者が減少し続ければ国内での感染拡大の危険も同時に減っていくと考えられるが、まだ頂点を過ぎたとか変曲点だと判断するのは早い」と診断した。中対本はコロナ19のウイルスを17日から関連省庁と研究機関に分与し、治療薬やワクチンの開発を本格的に進める計画だ。
一方、この日午前に第3次チャーター機で入国した武漢からの帰国者とその家族147人のうち、感染が疑われる症状の現れた5人とその子ども2人(11歳、15カ月)は、国立中央医療院に移された。特に症状のない人々は、政府が用意したバスで京畿道利川(イチョン)の国防語学院に移動した。今回は第1、2次には含まれていなかった67人の中国国籍の家族(1人は香港人)も含まれる。これで武漢現地に残っている韓国人は150人あまりに減った。