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「トランスジェンダー軍人」ピョン・ヒス下士、法的性別訂正を完了

登録:2020-02-11 00:59 修正:2020-02-11 07:38
軍人権センター「清州地裁、ピョン下士の性別訂正を許可 
女性軍として服務できない理由ない」
ピョン・ヒス下士は先月22日の記者会見で「性的マイノリティ軍人たちが差別を受けない環境で服務できたら。性アイデンティティを問わず、この国を守る軍人になる機会を与えてほしい」と述べた=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 軍服務中に性転換手術を受けて復帰し、女性軍として服務を続けたいと明らかにしたものの、強制転役(ここでは退役のこと)させられた最初のトランスジェンダー軍人ピョン・ヒス下士(軍の階級)が、法的な性別訂正を済ませ、家族関係登録簿上も女性になった。

 市民団体「軍人権センター」は10日「清州(チョンジュ)地方裁判所が、韓国軍で最初に性転換手術を受けた軍人ピョン・ヒス下士の法的な性別を、男性から女性に訂正することを決定した」と発表した。昨年12月29日にピョン下士が性別表記の訂正を申請してから44日後のことだ。

 ピョン下士は、昨年11月の休暇期間にタイで性転換手術を受けて部隊に復帰。その後、女性軍人として服務を続けたいという意思を明らかにしていた。しかしピョン下士は、部隊復帰後に受けた義務調査で「心身障害3級」判定を受け、転役審査委員会に付された。これに対し、管轄裁判所に性別訂正許可を申請したピョン下士は、転役審査の延期を要請。国家人権委員会も軍に審査の延期を勧告したが、陸軍本部は先月22日、転役審査を強行し、ピョン下士の転役を決定した。

 軍人権センターは「裁判所は決定文でピョン下士の成長過程、性転換手術を受けることを決心し、ホルモン治療と手術を受けるに至るまでの過程、手術結果の不可逆性、幼いころから軍人になりたいと思っていたこと、その望みを叶えた後、困難の中で地道に治療と軍生活を両立してきたこと、これからも女性軍人として服務することを希望していることなどを総合的に考慮したとしている」と説明した。

 軍人権センターは今回の決定をめぐり「ピョン下士の強制転役からトランスジェンダー女性の淑明女子大入学をめぐる問題まで、最近の韓国社会はヘイトの渦の中にある」とし「マイノリティに自分の存在を立証することを強要する暴力的な状況が繰り返されている」と述べた。そして「陸軍の強制転役決定もこれと変わりはない」とし「男性器の有無を基準に『軍人の資格』を判別し、一方で女性軍人を前面に押し立て、ピョン下士が女性軍人と共に過ごすことができない存在であるかのように烙印を押した。裁判所の決定により、ピョン下士は人事訴請に法的『女性』として臨むことになる。性別訂正の手続きをすべて済ませたピョン下士を女性軍人として服務させられない理由はない」と強調した。

キム・ミンジェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/927664.html韓国語原文入力:2020-02-10 16:34
訳D.K

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