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「暗礁」に遭遇した韓国経済、内需・輸出への同時打撃を憂慮

登録:2020-02-03 10:41 修正:2020-02-03 13:11
中国、今年5%の成長も危ない見通し 
韓国、対中輸出額が全体の25%で「致命傷」 
 
第1四半期の国内消費、最大0.4%ポイント減少 
年間成長率も0.2%ポイント下落の見通し 
現代経済研「MERSの時のようにスーパー補正予算を」
新型コロナウイルス感染症の12人目の患者が先月ソウル駅のコンビニ店を訪れたことが明らかになった。2日午後、ソウル駅の待合室のあるコンビニに「感染者が訪れた事実が確認されたため臨時休業を決定」を知らせる案内文が貼られている/聯合ニュース

 新型コロナウイルス感染症拡散で、韓国経済の輸出と内需が同時にダメージを受けるという懸念が高まっている。

 2日、民間金融・研究機関は報告書を通じて「今回の新型コロナウイルスが2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の時より韓国経済に及ぼす波及力が大きい」と評価している。韓国投資証券はこの日「ウイルスが国内の経済や為替相場に及ぼす影響」という報告書で「2003年のSARSの時は外国人が韓国に来て使った金額(旅行収入)減少幅より韓国人が外国に旅行に行って使った金額(旅行支出)の減少幅が大きかったため、旅行の赤字が減少した」とし、「しかし、今は中国人観光客の割合がSARSの時より3倍以上高くなっており、旅行収入減少幅がさらに広がる可能性がある」と明らかにした。韓国投資証券はさらに、「今回の新型コロナウイルスは、国内経済に短期間大きな悪影響を及ぼす見通し」だとし、「景気が底を過ぎたという期待はずれ込むものと見て、少なくとも第1四半期または第2四半期まで成長率の下落は避けられないと思われる」と付け加えた。

 SARS拡散当時、中国内需が低迷し、韓国の対中国輸出も打撃を受けた。今回の新型コロナウイルス感染症の事態で昨年の成長率が6.1%だった中国は今年の成長率が5%以下に下降する可能性があるという展望が出ている。対中国輸出額が全体の25%を占める韓国の輸出が直撃を受ける可能性も大きくなるわけだ。

 2003年のSARSの時は国内感染者が3人にとどまり、内需萎縮よりも対中国輸出減少要因がより大きかった。しかし、新型コロナウイルス感染症は、国内感染者が2日基準で15人に達するほどに広がり、内需も打撃を受けている。2015年、国内の感染者が186名にのぼったMERS(中東呼吸器症候群)事態当時の消費減少の現象と同様に流れる可能性がある。現代経済研究院は先月31日に出した「新型コロナウイルス感染症の韓国経済への影響」という報告書で、第1四半期の国内消費が最大0.4%ポイント減少するものと予想した。年間経済成長率も最大0.2%ポイント落ちかねないと展望した。研究員は「二番底(経済が回復されたように見えてから再び停滞する現象)に陥らないよう、MERS当時スーパー補正予算(11兆5千億ウォン=約1兆460億円)編成のような段階ごとの政策対応を講じなければならない」と提言した。

 韓国政府は現在のところ、補正予算の編成は検討しないという立場だが、ウイルスの拡散の様相によって対策が変わると明らかにした。企画財政部の関係者は「過去の対応事例を検討し、シナリオごとの対策を講じている」と話した。政府は特に中国の経済状況を最大変数と見て、事態を注視している。

イ・ギョンミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/926615.html韓国語原文入力:2020-02-03 02:40
訳C.M