ソウル市は今年、危機・脆弱世帯を発掘するための初の全数調査を行う。これまでも行ってきた住民登録事実調査の際に、各家庭の生活環境を詳しく調べる。
ソウル市は、7日から3月20日まで行われている住民登録事実調査に「出張地区住民センター」の公務員8700人と統長(「統」は洞の下の行政区画)1万2千人あまりが参加し、住民登録事実調査だけでなく住居の状態・周辺環境などの簡単な生活環境を観察・確認するとともに、近所に助けの必要な人がいないか調査すると19日明らかにした。
住民登録事実調査は、住民登録の記載事項と実際の居住事実が一致するかどうかを確認するために毎年実施される全数調査だ。今回の調査は、訪問の際に各家庭の経済状況、生活環境などを調べ、福祉が必要なのにまだつながっていない福祉死角地帯を発掘するというもの。京畿道、釜山海雲台区(ヘウンデグ)、全羅南道宝城郡(ポソングン)などが既にこのような調査を行っている。
調査では、住民登録事実調査を行う公務員や統長が世帯を訪問する際に住居状態、周辺環境などの簡単な生活環境を観察・確認し、周囲の助けが必要ではないかを聞く。また、隣人に助けが必要な人がいないかについても聞く予定だ。
危機・脆弱世帯とは、電気や水道の供給が絶たれていたり、医療保険や各種税金などを滞納したりしている世帯▽失業で経済活動ができていない世帯や廃業で危機に瀕する零細自営業者▽金欠や世話をしてくれる人の不在で欠食しがちな世帯や住居の状態が劣悪な世帯▽主所得者の死亡、失業、疾病、障害などで助けが必要な世帯▽賃借人のうち家賃を滞納していたり、保証金から家賃を差し引いたりしている世帯などのこと。
調査により危機・脆弱世帯と判断された場合、福祉相談申請書を作成して地区住民センターに知らせ、個別化福祉サービスにつなげる。危急状況の場合、福祉プランナーが世帯を直ちに訪問して相談しながら必要なサービスを把握し、ソウル型緊急福祉支援などの緊急措置を取る。
ソウル市は「毎年行っている住民登録事実調査は地域内の全世帯を訪問するので、福祉死角地帯発掘の効率が高まり、出張地区住民センターの行政力負担も減らせる」と説明した。