準連動型比例代表制の導入後、政界に激しい議論を巻き起こした「比例自由韓国党」、「比例民主党」などの名前を、4月の総選挙で使用できなくなった。
中央選挙管理委員会は13日午後、京畿道果川市（クァチョンシ）中央選管庁舍で全体委員会議を開き、「『比例○○党』はすでに登録された政党の名称と明確に区別されず、政党法第41条(類似名称などの使用禁止)第3項に違反しており、その名称を政党の名称に利用することはできない」と決定した。同日の結論で、自由韓国党が政党づくりに関与した「比例自由韓国党」をはじめ、「比例韓国党」や「比例民主党」など、創党準備委員会が発足した3つの新党結成が認められないことになった。
中央選管委は今回の決定と関連し、「政党法第41条は、政党の名称はすでに登録された政党が使用中の名称とはっきり区別されなければならないと規定している」とし、「有権者が政党の同一性を誤認・混同し、国民の政治的意思の形成が歪曲されることを防止するため」と説明した。たとえ「比例」という名前を前に付けたとしても、既存政党との差別性は認められず、有権者を混乱させる恐れがあるという点が、選管委決定の核心理由になったのだ。これと関連し、中央選管委は「比例という言葉は辞書的な意味だけでは政党の政策や政治的信念など何らかの価値を内包する言葉とは考えにくく、比例という言葉との結合ですでに登録されている政党と区別された新しい観念が生まれるとは考えられない」と説明した。
選管委はまた、「『比例○○党』ができた場合、選挙区候補を推薦した政党と同一の政党と認識する可能性もある」と指摘した。実際、「比例民主党」や「比例韓国党」の場合、すでに民主党や韓国党とは関係のない人が該当名称を登録している状態だ。選管委はまた、「(名称)使用を許可する場合、無分別な政党名称の先取り・誤用による政党活動の自由侵害、有権者の混乱で国民の政治的意思形成が歪曲される結果をもたらす恐れがある」と懸念を示した。
与野党の反応は分かれた。共に民主党は「当然の結果だ」とし、自由韓国党に対し「国民の選択を欺瞞し、歪曲して民主主義を後退させる衛星政党の設立構想を撤回せよ」と迫った。衛星政党として 「比例自由韓国党」の設立を進めてきた自由韓国党は「選管委の公正性が崩れた」と反発した。キム・ソンウォン自由韓国党スポークスマンは、「比例自由韓国党の設立が民主的基本秩序に反するという根拠はどこにもない。選管委が打ち出した『有権者が混乱する恐れ』は国民を無視する行為であり、政党設立の自由を露骨に破壊することに他ならない」と批判した。
自由韓国党は、「比例」という名前を捨てて別の衛星政党を推進する案や、現在進行中の保守野党の統合政党を選挙区政党とし、自由韓国党を比例政党に回す案など、様々な案を検討しているという。しかし、いかなる場合であれ混乱は避けられず、姑息な手口という批判を免れないため、困惑している様子だ。
自由韓国党は、今回の選管措置をめぐり、憲法訴願をはじめとする不服訴訟など法的措置も検討している。ただし、法律的に比例自由韓国党と自由韓国党は別の組織であるため、自由韓国党が直接乗り出すこれといった方法がない状況だ。
訳H.J
