警察が「すべての捜査に関し検事の指揮を受けるようにする」ように定めた刑事訴訟法が65年ぶりに改正された。検事が事件送検前に警察の捜査を指揮する内容を廃止したのが主な内容だ。刑事訴訟法とともに改正された検察庁法には、検察の直接捜査範囲を制限する内容が盛り込まれた。警察の1次捜査権と終結権を保障する内容を柱にした2件の法案が国会で議決されたことで、険しかった「検・警捜査権調整」の道のりがついに実を結ぶことになった。
13日、国会本会議を通過した刑事訴訟法で注意すべき点は、検事と警察を“協力関係”と規定した部分だ。「司法警察官はすべての捜査に関して検事の指揮を受ける」という刑事訴訟法(第196条)条項は1954年9月23日に制定されて以来、これまで一度も改正されなかった。今回二つの捜査機関の関係が指揮から協力へと変わり、警察に1次捜査権と終結権が与えられた。不十分だという評価もあるが、警察の数十年の宿願がかなったわけだ。
検事が、警察が申請した令状を正当な理由なく判事に請求しなければ、警察が各高等検察庁に設置された令状審議委員会に審議を申請できる内容も含まれた。検事が作成した被疑者尋問調書を、被告人または弁護人が同意する場合のみ証拠として使えるようにした部分は、今回の改正案で最も大きな変化をもたらす条項に挙げられる。
司法警察官に対する統制装置も設けられる。検事が公訴提起及び維持、令状請求に必要な場合、補完捜査を要求できるとし、警察は「正当な理由がない限り」、速やかにこれを履行するようにした。警察が正当な理由なしにこれに従わなければ、検察総長や各検察庁の検事長は該当警察の職務排除や懲戒を要求できる。ただし、「正当な理由」の内容があいまいで、今後、検察と警察の対立や議論が生じる余地がある。
また、警察は被疑者を尋問する前に、「捜査過程で法令違反、人権侵害、または顕著な捜査権乱用があった場合、検事に救済を申請できることを知らせなければならない」と明示した。通報があれば、検事が警察に事件記録謄本の送付を要求することもできる。
検察の直接捜査の範囲は制限された。改正検察庁法は検察の直接捜査範囲を、腐敗・経済・公職者・選挙・防衛事業・大型惨事など大統領令で定める重要犯罪や、警察公務員が犯した犯罪などに限定した。このほかの一般刑事事件は事実上、警察が1次捜査権と終結権を持つ。犯罪の疑いがあれば、検事に事件を送致するのは今と同じだが、送致しない場合、検事はその理由を明示した書面と証拠物の提出を求めることができるものの、90日以内に司法警察官に返却しなければならない。検事は、司法警察官が事件を送検しなかった件が違法・不当な場合、再捜査を要請できる。
今後、施行令などで見直されるべき部分もある。検察が再捜査の要請をしても、警察が事件を送検せず、再び検事が再捜査を要請する状況が無限に繰り返される恐れがあるためだ。このような理由で、昨年12月30日、検・警捜査権調整に対する修正案を出した与野党の議員たちは「再捜査要請の繰り返しを防止するための細部捜査準則を設けなければならない」という合意文を発表した。また、一部で提起されている警察の肥大化を防ぐため、自治警察制を導入し、司法警察職務に従事しない警察の司法警察職務への介入 ・関与禁止、捜査の独立性と中立性を保障するための立法を速やかに推進するという内容にも合意した。自治警察制の導入や国家捜査本部の新設、情報警察の治安情報収集規定を削除した内容などを盛り込んだ警察改革法は、現在、国会行政安全委員会や政務委員会などで審議されている。