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大統領府への強制捜査実現ならず…大統領府「対象特定せず」、検察「リスト渡した」

登録:2020-01-11 05:40 修正:2020-01-11 08:49
検察、大統領府の資料提出拒否で踵を返す 
令状範囲をめぐり正反対の主張で対立
大統領府//ハンギョレ新聞社

 「大統領府の選挙介入疑惑」を捜査する検察が10日、大統領府への強制捜査を試みたが、大統領府の拒否で実現しなかった。大統領府は「検察が具体的なリストなしで犯罪資料一式を要求した。これ見よがしの捜査を行っている」として、検察を批判した。一方、検察は「令状に強制捜査の対象を特定した」と反論した。検察幹部人事から2日後、双方が強制捜査の令状をめぐり正反対の主張を展開して激しく衝突した。

 ソウル中央地検公共捜査2部(部長キム・テウン)は同日午前、大統領府与民館に検事と捜査官を送り、ソン・チョルホ(共に民主党)蔚山(ウルサン)市長の公共病院公約などと関連して、大統領秘書室自治発展秘書官室(元バランス発展秘書官室)が作った資料などに対する強制捜査を試みた。検察は、大統領府が文在寅(ムン・ジェイン)大統領と親しいソン市長の地方選挙を支援するため、彼の公約づくりを手助けしたと疑っている。

 しかし、大統領府は同日、「検察が持ってきた捜査令状が全く具体的でないため、提出自体が不可能だった」とし、資料の提出を拒否した。検察は同日夕方まで待ったものの、強制捜査を進められず結局帰った。

 双方は同日夕方、書面資料を発表し、攻防を繰り広げた。大統領府のコ・ミンジョン報道官は、「大統領府はこれまで(検察の捜査に)任意提出の方式で誠実に協力してきた。(しかし)今日、検察が持ってきた捜査令状には対象が特定されていなかった」とし、「自治発展秘書官室にある『犯罪資料一式』という風に、押収対象を記載した」と主張した。また、「検察が(任意提出が)可能な手続きを踏まず、一度も行われたことのない強制捜査を試みたのは、実現しないことを承知の上で“これ見よがしの捜査”をしたものであり、強い遺憾の意を表明する」と述べた。

 検察は、大統領府の主張に反論した。検察は「大統領秘書室に資料の任意提出を数回要求したが、大統領府が拒否したため、同日令状による強制捜査を執行した」とし、「捜査令状は裁判所から『押収する場所及び物』を適法に特定し、発行されたもの」だと主張した。また、検察は「同一の内容の令状に基づき、9日にも国家バランス発展委員会事務室などに対する強制捜査を正常に実施した」とし、「捜査令状と共に詳細なリストを追加で交付し、資料提出を要請したにもかかわらず、裁判所が発行した令状の『押収する物』の範囲が特定されていないという理由で提出してもらえなかった」と主張した。

 大統領府側は「検察の主張は全く事実と異なる。これまで(任意提出を)要求されたことがない。検察が令状にもない押収物リストを提示し、要求したこともあった」と述べた。これに対し検察は、「強制捜査前に大統領府に任意提出を数回要請したが、大統領府は『そのようなことはなかった』という。大統領府が事実関係を混同しているようだ」と対抗した。

 ある裁判所関係者は、「大統領府の主張通り、検察が令状請求の際、犯罪資料一式と書き、裁判所がこれを発行したとすれば、どちらも問題だ」とし、「しかし最近、裁判所は強制捜査の対象をできるだけ特定している。大統領府に対する捜査令状なら、さらに考慮しただろう」と述べた。

パク・ジュニョン、コ・ハンソル、ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/924029.html韓国語原文入力:2020-01-11 02:34
訳H.J

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