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「イラン危機」朝米非核化交渉にどのような影響与えるか

登録:2020-01-06 02:42 修正:2020-01-06 08:28
膠着局面、長期化の可能性高い 
「中東の緊張の高まりで米国の朝鮮半島積極介入は困難」
米軍がイラン軍部の実力者である革命防衛隊コッズ部隊のカーセム・ソレイマニ司令官を殺害したことで、中東地域の緊張が高まっている。写真はドナルド・トランプ大統領=資料写真//ハンギョレ新聞社

 米軍によるイラン軍部の実力者ソレイマニ司令官殺害にともなう中東地域の緊張の高まりが、朝米非核化交渉にも影響を与えそうだ。

 「イラン事態」は朝米交渉にはあまり良いシグナルではないとの観測だ。中東地域の「一触即発」状況で、ドナルド・トランプ大統領の重心が中東に置かれざるを得ず、北朝鮮問題が後回しにされるのではないかという分析が出ている。韓東大学のパク・ウォンゴン教授(国際地域学)は、「中東全体の不安定性が高まり、米国が非核化など朝鮮半島の状況に積極的に介入することは難しくなるだろう」とし、「過去にも中東地域で緊張が高まる度に、米国はアジア地域については、現状維持を基調として管理してきた」と述べた。

 パク教授はしかし、米国の今回のソレイマニ殺害を北朝鮮に対する警告と見ることはできないと述べた。「北朝鮮とイランは違う。トランプ大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と関係が良好で、イランとはすでに全面戦争を宣言している状態のため、トランプ大統領は強硬政策を取るには北朝鮮よりもイランが良い相手だと見ているようだ」とし、「今回の事案を北朝鮮に対する警告と見ることはできない」と述べた。

 ただ、イラン事態で朝米対話の膠着局面が長引く場合、北朝鮮が強硬対応に出る可能性も排除できない状況だ。北朝鮮の金正恩国務委員長は最近、労働党全員会議で、米国の態度変化によって対応方向を変える可能性があると警告し、「新たな戦略兵器」にも言及している。

 韓国政府は、朝米対話のモメンタムを維持するために積極対応に出ている。外交部のキム・ゴン次官補は3日(現地時間)、ワシントンの米国務省庁舎でデイビッド・スティルウェル次官補と協議を行った。外交部は資料を発表し、「両次官補は韓米関係と同盟の懸案、両国関連地域の情勢など、相互の関心事全般について深く話し合った」と明らかにした。

 韓米はこの外交次官補協議を皮切りに、今月中に外相会談と北朝鮮核首席代表の協議も計画している。年初から様々な外交チャンネルを通じ、対北朝鮮政策の協力に乗り出している格好だ。パク教授は、「北朝鮮の全員会議で出た内容など、韓米間で論議することは多い」とし、「北朝鮮が『レッドライン』を超えないよう韓米の協力が必要だ」と述べた。

キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/923211.html韓国語原文入力:2020-01-05 16:28
訳D.K

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