本文に移動

[ニュース分析]朝米の対峙、韓中日の相次ぐ首脳会談…朝鮮半島の運命の一週間

登録:2019-12-23 06:08 修正:2019-12-23 08:01

金委員長、党軍事委拡大会議で「全般的な国防力の強化」 
全員会議で決定する新路線の“軍事的内容”を予告 
米国、北朝鮮の「クリスマスプレゼント」に神経尖らせる…韓中日は首脳会議 
 
北朝鮮、「新たな道」の宣言秒読み…米国「すべての準備が整っている」 
「核・経済並進に戻るつもりなら、より強い表現」 
トランプ大統領、習近平主席・安倍首相との電話会談で北朝鮮問題への協力を強調

北朝鮮の金正恩国務委員長が主宰した労働党中央軍事委員会拡大会議で、国防力の強化策や軍の組織改編などが協議されたと、「朝鮮中央通信」が22日付で報道した=平壌/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮が設定した「年末の期限」が迫る中、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が党と軍隊の中心人物を集めて党中央軍事委員会拡大会議を開き、「自衛的国防力」の発展について話し合った。米国のドナルド・トランプ大統領が中国の習近平国家主席との電話会談で北朝鮮情勢について協議するなど、米国も北朝鮮の「クリスマスプレゼント」に神経を尖らせている。北朝鮮が「新たな道」を公表するものと思われる労働党中央委員会全員会議が早ければ今週中に開かれるものとみられ、韓中、韓日首脳会談と韓中日首脳会議が23日と24日、中国で開催される。朝鮮半島情勢の分水嶺となる一週間が始まる。

 金正恩委員長は自ら主宰した労働党中央軍事委第7期第3次拡大会議で、「全般的な武装力」を強化するための対策を決定し、軍組織の再編、人事などを主要議題として取り上げたと、北朝鮮官営「朝鮮中央通信」が22日付で報道した。

 北朝鮮が党中央委員会全員会議を開いて重大決定をする前に、党中央軍事委拡大会議が開かれたことをめぐり、数日後の全員会議で公表される新戦略路線において、軍事的内容がかなり重要な部分を占める可能性があるという分析もある。北朝鮮はこれまで、重要な全員会議を控えて政治局会議を開催してきたが、今回は「新たな道」と関連した軍事的意志を強調するため、中央軍事委会議を開いたということだ。北朝鮮は中央委全員会議を通じて、2013年に「経済建設と核兵力の建設を並進(同時推進)」を決定しており、2018年には「核・ミサイルモラトリアム」と「社会主義経済建設への総力集中」路線を示した。

 今回の拡大会議の内容を分析した専門家らは、北朝鮮が「自衛的国防力」の具体的な内容は公開しないなど、「レベル調節」を行ったことに注目し、数日後に開かれる全員会議の結果に「核・ミサイルモラトリアム宣言」を撤回するか、覆す内容が入るかどうかがカギになると指摘した。ホン・ミン統一研究院北朝鮮研究室長は、「モラトリアム宣言を覆す可能性は低い」と予想した。そして、「北朝鮮が核・経済並進に戻ろうとするなら、軍事委会議でさらに強い核武装力を暗示する表現が出たはずだが、その代わりに 『全般的な武装力』や『自衛的国防力』などの表現を使った」とし、「『新たな道』自体は比較的低いレベルから始めるだろう」と見通した。

 キム・インテ国家安保戦略研究院責任研究委員は「(2018年第7期第3次全員会議で)核・経済の並進路線が勝利したとして経済への全力集中路線を選択したため、この路線の復活は北朝鮮にとっても困難な面がある」としながらも、「強硬な軍事路線」に進む内容は盛り込まれるものと予想した。キム・ドンヨブ慶南大学教授は「北朝鮮版国防改革の一環である可能性もある」とし、「今年、北朝鮮が試験発射した『新兵器4種』とも関係があるだろう」と指摘した。北朝鮮は今年5月から『北朝鮮版イスカンデル』KN-23や超大型放射砲、新型戦術地対地弾道ミサイル、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)など新型戦略兵器を試験発射したが、このような戦力の拡大を通じて自衛的国防力強化を図るという予測だ。

 今回の軍事委会議では、軍組職改編と人事問題も取り上げたが、会議の場面を分析すると、党中央軍事委で内閣と党幹部の比重が減り、軍幹部の比重が増え、軍部の地位を高める方式に改編されたという分析もある。ホン・ミン室長は「総参謀局傘下の戦略軍の地位の変化や維持についても関心が集まっている」と語った。核問題を担当する戦略軍の地位の変化は、北朝鮮の核政策に直結するからだ。今回の会議は「国の全般的な武装力に対する党の領導」を再確認し、軍の「祖国保衛」と「社会主義建設」が強調されたが、これに対してヤン・ムジン北韓大学院大学教授は「軍隊に対する党の指導強化と経済建設に対する軍隊の役割を再確認したものだ」と指摘した。

 米国は北朝鮮に交渉テーブルへの復帰を求めながらも、「すべての準備が整っている」と述べ、軍事的対応態勢を強調している。ドナルド・トランプ大統領は20日(現地時間)、ツイッターに習近平主席との通話内容を公開し、「北朝鮮に関しても話し合った。中国と協力している事案だ」と明らかにした。 北朝鮮が「年末の時限」を提示し、対米圧力を加えている状況について習主席と対話を交わし、対北朝鮮対応で米中が協議していることを公に強調したのだ。トランプ大統領は、北朝鮮が緊張を高める行為を控えるよう、習主席と中国の役割とその後の対応協力案を協議したものと見られる。トランプ大統領は21日、日本の安倍晋三首相とも電話会談を行い、対北朝鮮対応などについて議論した。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は23日午前、中国北京で習近平主席と首脳会談を行い、朝鮮半島で緊張が高まるのを防ぐための両国の協力案などについて話し合うものと予想される。

 マーク・エスパー米国防長官は20日、記者会見で、北朝鮮と関連した自分の役割について「必要ならば、今晩にも戦って勝利する準備を整え、対応態勢を明確に維持すること」だとし、「外交官たちが外交できるようにすること」だと答えた。米国のNBCとCNN放送は、米国ミドルベリー国際学研究所東アジア不拡散センターのジェフリー・ルイス所長の報告書を引用し、北朝鮮が最近、長距離ミサイル生産に関連した工場を拡張したと、21日付で報道した。ルイス所長は、米国の民間衛星企業のプラネット・ラボが、北朝鮮の平安南道平城(ピョンソン)の「3月16日工場」を撮影した衛星写真を根拠に、発射の据置台を設置する作業が可能な臨時施設物が新たに観測されたと分析した。

 米国は、偵察機を朝鮮半島の上空に送り続け、北朝鮮のミサイル発射の兆候に対する監視を続けている。22日、民間航空追跡サイト「エアクラフト・スポット」によると、米空軍偵察機リベット・ジョイント(RC-135W)は今週末、朝鮮半島の上空3万1千フィート(9448.8メートル)を飛行した。

ノ・ジウォン記者、ワシントン/ファン・ジュンボム特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/921752.html韓国語原文入力:2019-12-22 21:09
訳H.J

関連記事