韓国国防部が11日、江原道原州市(ウォンジュシ)のキャンプ・ロング、キャンプ・イーグル、仁川富平(プピョン)区のキャンプ・マーケット、京畿道東豆川市(トンドゥチョンシ)のキャンプ・ホビー射撃場などの在韓米軍基地の即時返還計画を発表したことを受け、原州市と仁川市(インチョンシ)は地域間の均衡ある発展に弾みがつくことになったと歓迎した。一方、小規模の敷地だけが返還された東豆川市は、失望感を滲ませながらも、まだ返還されていない主要な敷地の返還の信号弾になることを期待した。
パク・ナムチュン仁川市長は同日、記者会見を開き、「1939年、日帝強占期(日本の植民地時代)の造兵廠から独立後の在韓米軍基地に使用されたキャンプ・マーケットが80年ぶりに市民の元に戻ってきた」と歓迎した。キャンプ・マーケットは、2002年の返還決定後、環境調査と後続措置に対する意見の相違で17年間にわたり返還が見送られてきた。市は同日、住民参加空間である「インフォセンター」を設け、活用策を公論化するという内容が盛り込まれた「富平キャンプ・マーケット未来戦略」を発表した。
江原道原州市のキャンプ・ロング(34万平方メートル)は市民公園に生まれ変わる。原州市は1年余りの間、土壌汚染浄化作業を進めた後、公園の開発に着手する予定だ。市は、国際規格プールや国弓場などを造成し、米軍兵舎などに使われていた建物などを改装して、ブックカフェなどの休憩空間も作る計画だ。
しかし、空軍8戦闘飛行団が使っているキャンプ・イーグルについては、まだ具体的な計画がない状態だ。イ・ソンギョン原州市民連帯代表は「20年間続いた市民の願いがやっとかなった。二つの基地は、当初の考え通り、市民のための公共空間として使われなければならない。原州地域の共生協力に向けた官民軍の協議体を稼動し、キャンプ・イーグルに対する新しい用途を見出さなければならない」と話した。
一方、返還対象がキャンプ・ホビー全体(1405万平方メートル)ではなく、2万3千平方メートル(7千坪)規模のシア射撃場の敷地のみの東豆川市の反応は淡々としたものだった。ここに複合シニアレジャータウンなど支援都市開発事業を進めている東豆川市は、今回返還された敷地では事業を推進できないと判断している。東豆川市の関係者は、「小規模な土地なので活用価値がなく、この敷地に対する開発計画はない。ただし、未返還基地への返還の引き金になることを望む」と述べた。
住民らも、「未返還のキャンプ・モービルやホビー、キャッスルの残余敷地、ケイシーを全て返還してこそ、米軍基地の移転で荒廃した地域経済を立て直すことができる」と口をそろえた。ハン・ジョンガプ東豆川米軍再配置汎市民対策委員長は、「キャンプ・ホビーであれモービルであれ、一度に返還されてこそ、全体的な開発計画も立てられるが、射撃場だけでは実効性は全くない。これまで約束の履行が見送られてきただけに、今後の状況を見極めて対応する」と述べた。
まだ返還されていない東豆川市の米軍基地の敷地は、米軍基地全体4063万平方メートル(市全体面積の42%)の43%の1749万平方メートルだ。