韓国軍情報当局は、北朝鮮が今月7日、東倉里(トンチャン二)西海衛星発射場で進行した「重大な試験」を、液体燃料を使用した高出力エンジン実験と推定していることが9日に明らかになった。軍当局は、この実験が人工衛星の打ち上げを念頭に置いたものなのか、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射につながるものなのかについては判断を保留した。
軍関係者は同日、「東倉里の発射場は固体燃料の実験ができる施設ではない」とし、「今回の実験は固体燃料と関連したものではないというのが情報当局の判断だ」と述べた。東倉里には液体燃料エンジンを試験するための垂直発射台があるが、同施設を活用した試験が行われたと見ているようだ。
一部では、北朝鮮の今回の実験を2017年11月に発射した大陸間弾道ミサイル「火星-15型」のエンジン出力を高めるためのものと推定している。北朝鮮は当時、「火星-14型」エンジン2つを結合したいわゆる「白頭山(ペクトゥサン)エンジン」を装着した。白頭山エンジンは、旧ソ連のRD-250双子エンジンに基づく液体燃料エンジンだ。北朝鮮は現在、人工衛星の発射体と大陸間弾道ミサイルのエンジンで液体燃料を使用している。
米国のミドルベリー国際学研究所「東アジア不拡散センター」の責任者であるジェフリー・ルイス所長も、東倉里でロケットエンジン試験によるガス噴出があったと推定している。ルイス所長は同日、自分のツイッターに今月7日と8日、東倉里周辺を撮影した衛星写真二枚を掲載し、「車両と物体がほとんど消えたが、現場はエンジン実験によるガス噴出が残っている状態と見られる」と分析した。
米国は北朝鮮の動向を探るため、偵察活動を引き続き強化している。米空軍の主力通信傍受偵察機である「リベット・ジョイント」(RC-135W)が同日、京畿南部9.4キロメートル上空を飛行した。同偵察機は今月2日と5日にも、朝鮮半島上空で作戦を行った。