東京五輪の聖火リレーのスタート地点である福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」周辺の土壌が、福島事故以前より1775倍高い放射線に汚染されている事実が環境団体の調査で確認された。後になってこの事実を把握した日本政府は、急いで当該場所の除染作業を行ったという。
グリーンピースは4日、日本福島にあるJヴィレッジ(東京五輪のサッカー練習施設が集まっているところ)で放射線高線量地点(ホットスポット)が発見されたと明らかにした。Jヴィレッジは東京五輪の聖火のスタート地点でもある。
原発事故後、毎年福島地域の放射線汚染度を測定しているグリーンピースは10月から11月までの4週間、東京五輪を控えたJヴィレッジ周辺を含めた福島地域の放射線量を測定した。調査の結果、サッカー練習施設の近くの草や木が生えている場所、駐車場などで高い数値の放射線が確認された。
特に「Jヴィレッジ」近くの駐車場付近では時間当たり71マイクロシーベルトの放射線が測定された。この数値は福島原発事故前と比較して約1775倍高いとグリーンピースは説明した。これらのホットスポットを除いたJヴィレッジ周辺の放射線量は、浪江町(なみえまち)や大熊町(おおくままち)のような東京電力福島第一原発近郊の地域に比べ、全般的に低いレベルであった。
グリーンピースはこのような調査結果を先月末に小泉進次郎環境相や日本オリンピック委員会の山下泰裕(JOC)会長、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長らに伝えた。今回確認された「Jヴィレッジ」付近のホットスポットを早急に除染し、完璧な安全を保障するまで、一般市民の接近を制限すべきだという内容だった。
日本政府の反応はマスコミを通じてまず伝えられた。産経新聞は4日、グリーンピースが日本政府に送った調査の結果とともに、環境省の要請により東京電力が指摘を受けた地点の土壌を除去するなどの除染作業を3日に行ったと報道した。
グリーンピース・ソウル事務所の気候エネルギー・キャンペイナーのチャン・マリ氏は「日本政府がJヴィレッジ内のホットスポットの存在をグリーンピースの調査後に知ったというのは、福島問題について日本がいかに安易に対応しているかを示している。今回のグリーンピースのJヴィレッジに対する調査は2時間のみ行われたもので、極めて限定的な結果だ。日本政府は「Jヴィレッジ」とその周辺の放射線量を綿密に再測定し、正確に公開するまで一般人の接近を制限すべきだ」と述べた。
グリーンピースは近いうちに福島を再び訪れ、Jヴィレッジ周辺の放射線量を再測定する計画だ。