国際オリンピック委員会(IOC)が、猛暑のため2020年東京五輪のマラソン競技を北海道で開催する案を検討中だと発表した。
IOCは16日「五輪のマラソンと競歩を札幌で開く計画もある。札幌は五輪が開かれる期間は東京より5~6度ほど気温が低い」と発表した。IOCは「東京は札幌より800キロ南にある」とも説明した。札幌は東京のはるか北にあるから、札幌で競技を行えば選手は猛暑に悩まされないだろうということだ。
2020年の7月24~8月9日という真夏に開かれることとなる東京五輪は、猛暑に対する懸念が以前から多かった。世界的な気候変動の影響で、日本では最近、災害レベルの猛暑に見舞われているためだ。昨年7月には東京都内で40度を超える気温が観測されたこともある。
このため東京五輪組織委員会は昨年7月、マラソンのスタート時刻を午前7時半から7時に繰り上げた。その後、再び午前6時に繰り上げている。IOCがマラソン出発時刻の変更に満足せず、競技場所の変更まで言い出したのは、先月末から今月初めまで開かれたカタール・ドーハ世界陸上の影響と見られる。ドーハ世界陸上では猛暑対策としてマラソンを真夜に行ったものの、気温が30度超え、湿度が70%以上という環境のせいで棄権者が続出した。
ただし、実際に札幌に移すことには日本が反対する公算が大きい。組織委は、五輪のために新たに建設した新国立競技場を出発し、東京の代表的な名所である浅草寺、銀座などを回るコースでマラソンを行う計画だ。