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ソウル高裁、公取委のクアルコム“1兆ウォン課徴金”は適法…訴訟から3年で初判断

登録:2019-12-04 22:05 修正:2019-12-05 08:42
2016年12月28日、クアルコムに関連する決定のために開かれた公取委全員会議=グラフィック イ・ジョンユン記者//ハンギョレ新聞社

 多国籍通信装備企業のクアルコムがLGと華為など携帯電話メーカーに不当な契約を強制したことに対して、公正取引委員会が賦課した1兆300億ウォン(約940億円)の課徴金は適法だとする裁判所の判断が出た。2017年2月、クアルコムが公取委の処分に従わず訴訟を提起してから約3年がたって出た判断だ。

 ソウル高裁行政7部(裁判 ノ・テアク)は4日、クアルコム(Qualcomm, Inc.)と系列会社のクアルコム・テクノロジーなどが公取委を相手に出した是正命令および課徴金賦課処分取消訴訟で「1兆300億ウォンの課徴金処分は適法」と明らかにした。また、公取委がクアルコムに下した是正命令10項目中の2項目のみを違法な処分と判断した。

 裁判所はまず、クアルコムがモデムチップセット市場で「市場支配的事業者の地位」を持つと認めた。クアルコムは、携帯電話の生産時に必須で実施許諾を受けなければならない標準必須特許(SEP)を独占的に保有していた。携帯電話メーカーは、モデムチップセット供給の相当部分をクアルコムに依存し、クアルコムは200余りの中小携帯電話メーカーと比較して事業規模と売上高の面で優位を占めた。

 これに対しクアルコムは、モデムチップで競争している3製造業者などに対し、合理的で非差別的な条件で特許ライセンスを提供するというFRANDを確約した。しかし裁判所は、クアルコムがFRAND確約に反して「競争メーカーにライセンスを提供しなかったり、また要請してもライセンス範囲を制限するなど、市場支配的地位を乱用した」と判断した。販売所を制限し、メーカーの営業情報をクアルコムに報告させる条件なども掲げ、メーカーの事業活動を妨害した点も認められた。

 裁判所は「クアルコムがFRAND確約にともなう交渉を回避し、特許ライセンス契約を強制した。モデムチップセットを供給されるメーカーに対する供給拒絶や禁止請求で、特定メーカーを排除し、競争社数を減少させた」とし、市場内競争を制限する不当な取引をした点もやはり認めた。裁判所は結局、クアルコムが「モデムチップセット市場で市場支配的地位を一層強固にしている」として、公取委の是正命令処分は適切と見た。

 ただし、携帯電話メーカーに対する包括的ライセンス契約と携帯電話の価格を基準として算定した実施料、クロスグラント(特許保有企業が無償で特許を共有する慣行)に関する内容は「不利益な取引や不当な取引行為とは見られない」として、それに対する公取委の是正命令は違法と判断した。

 だが「違法と認められた行為を基準として算定した課徴金は適法だ」と付け加えた。公取委が処した10項目の是正命令のうちの一部が取り消されても、適法と判断した是正命令でも市場秩序を回復できるとも明らかにした。

チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/919560.html韓国語原文入力:2019-12-04 20:13
訳J.S

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