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キム・ヨンチョル長官が明かした北朝鮮船員追放の理由

登録:2019-11-16 04:01 修正:2019-11-16 07:00
「起訴しても処罰困難、市民安全脅かすこと懸念し送還 
国会外交統一委員会で明かす
キム・ヨンチョル統一部長官が15日午後、国会で開かれた外交統一委員会全体会議で凶悪犯罪を犯した北朝鮮住民の追放について議員の質疑に答えている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 7日に板門店(パンムンジョム)から追放された北朝鮮の船員をめぐる問題に関し、キム・ヨンチョル統一部長官は15日に国会外交統一委員会に出席し、政府の立場を明らかにした。自由韓国党などの野党議員たちが、北朝鮮船員たちが亡命の意思を表明したにもかかわらず北朝鮮に送還したのは違法と主張して政府を批判したことについて、キム長官は「16人殺害」という罪を犯した北朝鮮船員たちを北朝鮮離脱住民として受け入れた場合、処罰が難しく、南側の市民の安全が脅かされかねないという点が重要と考えたと説明した。

 キム長官は「北朝鮮住民も(憲法3条に則り)大韓民国国民の地位を持つという批判がある」という共に民主党のウォン・ヘヨン議員の指摘に対しては「(その船員を)起訴して刑事裁判にかけるのは、また別の問題」だとし、「(船員の)供述だけでは起訴が難しく、証拠がなければならないが、すべて(証拠)が北にある状況で(南側当局が北朝鮮船員を起訴し処罰することが現実的に)はたして可能なのかと考えた」と説明した。彼らの犯罪行為が北朝鮮で行われ、証拠が確保できない状況では、彼らを韓国社会に受け入れた場合、釈放するしかないが、そうなれば南側の市民の安全が脅かされる恐れがあるということだ。

 一方、キム長官は自由韓国党のキム・ジェギョン議員の「亡命意思が本気ではないと判断した根拠は何か」との質問に対し、「(船員は)自筆の亡命意向書を作成したが、(南下の)動機や準備過程、足取りなどを総合的に判断し、亡命意思は本気ではないものと見なした」と説明した。

 今月2日、政府は先月31日から2泊3日にわたって東海の北方限界線(NLL)を行き来し、韓国軍当局の統制を拒否していた北朝鮮の船舶と乗組員2人をNLLの南方20海里付近で拿捕した。政府の合同情報調査の結果通りなら、船員たちはともに漁をしていた船長や同僚船員16人を10月末に殺害した疑いがある。国の危機管理コントロールタワーである大統領府国家安保室は、関係機関による合同情報調査の結果をもとに、彼らを追放した。

ノ・ジウォン、ファン・グムビ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/917249.html韓国語原文入力:2019-11-15 21:19
訳D.K

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