北朝鮮が昨年5月に廃棄した咸鏡北道吉州郡豊渓里(プンゲリ)の核実験場は、一部の補完作業を経れば再使用できるものと推定されると、パク・ハンギ韓国軍合同参謀本部(合参)議長が8日、明らかにした。北朝鮮は当時、1回目の核実験後に廃棄された1番坑道を除き、2、3、4番坑道を爆破方式で廃棄した。しかし、北朝鮮が現在、豊渓里の核実験場を復旧する動きは見られないと、合参関係者は伝えた。
パク議長は同日、合同参謀本部庁舎で開かれた国会国防委員会の国政監査で、「(北朝鮮が)豊渓里の核実験場を再使用できると見るか」というハ・テョン正しい未来党議員の質問に対し、「1番と2番坑道は(再使用が)難しいが、3番と4番坑道は状況に応じて補完して使うことができるだろう」と答えた。さらに、「(再使用するには、復旧作業に)少なくとも数週間から数カ月はかかるだろう」と語った。これと関連し、合参関係者は「(北朝鮮の)復旧の動きはない」と述べた。
パク議長はまた、「北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)北極星3型は3段か」という質問に対しては、「2段と見ている」としたうえで、「一部は弾の分離を挙げて3段だと言うが、これを段の分離と見ることは難しい」と説明した。「段の分離は一度だけで、最後に弾頭が飛んでいく段階は、段の分離とは言えない」ということだ。パク議長は「固体燃料を使用したことで、推力が上昇し、固体燃料推進剤も改良された」と付け加えた。
パク議長は「もし日本軍用機が独島(日本名・竹島)領空を侵犯すればどう対応するか」というチェ・ジェソン共に民主党議員の質問には、「国際法が認める範囲で断固たる措置を取る」と答えた。彼は、日本は今まで韓国防空識別圏(KADIZ)に進入するたびに事前通知しており、これまで独島領空に侵入したこともなかったとし、もし領空侵犯事態が発生すれば、「それは多分に意図性を持つ状況といえるだろう」と説明した。
パク議長は、今年7月23日、ロシア軍用機A-50 1機が独島付近の領空を二度も侵犯した当時、警告射撃の次の処置まで考慮したかという質問に対し、「事前に考慮した」と答えた。しかし、ロシア軍用機が早期警戒管制機だったという点や、韓国に危害行為をするという意思表現が全くない点などを考慮し、「警告射撃の次の段階である強制着陸および撃墜射撃は、過度な行為になる可能性があると判断した」と説明した。領空侵犯に対する軍の対応規則は大きく分けて、警告通信→遮断飛行→警告射撃→強制着陸や撃墜射撃などの4段階だ。
合参はこれに先立って行われた業務報告で、韓国とロシア空軍が「飛行情報交換用ホットライン」を設置するための了解覚書の締結を進めていると明らかにした。両国空軍間の直通電話の設置は、2004年から協議してきたもので、昨年11月に了解覚書の文案協議を終えたという。合同参謀は「了解覚書の締結の時期や形式については追加協議する」とし、今月22日に韓ロ合同軍事委員会が開かれる予定だと説明した。
合参は、韓国と中国空軍のホットラインを拡大する案も推進している。合参は「現在、韓中の間には韓国軍の1中央防空統制所(MCRC)と中国北部戦区を結ぶホットラインが設置・運用されている」としたうえで、「2中央防空統制所と中国の東部戦区間のホットラインを追加設置することを中国側と協議している」と明らかにした。軍は4月の第6次韓中防空の実務協議で、ホットラインの追加設置を中国側に提案しており、中国はこれに共感を示すと共に、上部への報告(中央軍事委員会)及び承認に向けて努力するという反応を示したという。
中国とロシア軍用機の韓国防空識別圏への無断進入は、最近繰り返し行われている。今年に入って中国が25回、ロシアが13回にわたり、韓国防空識別圏に違法進入した。特に、今年7月3日には、ロシア軍用機A-50 1機が独島付近の領空を二度も侵犯し、緊急出撃した韓国空軍の戦闘機が警告射撃を行う状況が発生した。
合参はまた、韓国と米国の主要軍事懸案を話し合う第44回韓米軍事委員会会議(MCM)が来月11日、ソウルで開かれると発表した。今回の会議には今月1日に就任した新任のマーク・ミリー米合参議長が出席する。今回の会議の主要議題は、最近の安保状況および軍事態勢、条件に基づいた戦時作戦統制権(戦作権)の移管になると見られる。韓米軍事委員会会議は、大韓民国防衛のための戦略指示と作戦指針を連合司令官に提供するための韓米合同参謀議長級の年例会議体だ。
今回の会議では、今年8月の韓米連合指揮所演習で実施された韓国軍の戦作権行使のための基本運用能力(IOC)の検証結果が報告される。最近、懸案として浮上した戦作権移管後の国連軍司令部の役割の拡大や在韓米軍基地の早期返還問題なども、今回の会議で論議されるものとみられる。