今月末開かれると見られていた朝米非核化実務協議が、10月に持ち越される見込みだ。マイク・ポンペオ米国務長官が26日(現地時間)、北朝鮮との交渉日程がまだ決まっていないと述べてから、状況が変わる兆しが見えない。その代わり、北朝鮮は米国に連日「大胆な決断」を迫っている。朝米がパワーゲームを繰り返すうちに、協議が再び持ち越されるのではないかと懸念される。
北朝鮮のリ・ギホ国連代表部参事官は28日、米国に向かって「真摯さと大胆な決断を持って朝米共同声明の履行に乗り出さなければならない」と要求した。リ参事官は核・大陸間弾道ミサイル実験の中断や豊渓里(プンゲリ)核実験場の閉鎖などを取り上げ、北朝鮮は実践的な意志を示したのに対し、米国は共同声明の履行のために何の措置も取らなかったと主張した。「韓米合同軍事演習と対北朝鮮制裁の維持」を問題視した発言だ。リ参事官のこのような発言は2日前、ドナルド・トランプ大統領に「言葉ではなく、行動で」示すことを求めたキム・ゲグァン外務省顧問の談話の延長線上にある。
北朝鮮のキム・ソン国連大使が、朝米実務協議の開始と関連し、「楽観的」と述べたことから、北朝鮮に実務協議の意志があるのは明らかだ。しかし、米国が「新たな計算法」を提示せず、北朝鮮に対話を迫るだけでは、朝米実務協議の実現は難しいかもしれない。今は、米国が北朝鮮にさらに前向きな態度を示さなければならない。北朝鮮から大きな変化を引き出すためには、米国もそれに見合う大胆な提案をする必要がある。