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大統領府「国民が督励と共にムチ取った」…検察改革に拍車をかける見込み

登録:2019-09-30 00:20 修正:2019-10-03 10:22
公式論評は発表せず 
「チョ長官とユン総長の進退に変わりはない」
「第7回司法積弊清算に向けた検察改革ろうそく文化祭」が開かれた今月28日午後、ソウル瑞草洞の最高検察庁とソウル中央地検の間の道路が参加者たちで埋め尽くされた。主催側の予想より多くの参加者が集まり、予定されていた行進もキャンセルされた=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 大統領府がソウル瑞草洞(ソチョドン)一帯で開かれた大規模な週末ろうそく集会を機に、検察改革の手網を引き締める雰囲気だ。チョ・グク法務部長官をめぐる様々な議論にもかかわらず、検察改革を望む国民の意思が表出されただけに、これ以上左顧右眄しないという強い意志がうかがえる。

 29日、大統領府は前日のろうそく集会と関連して公式論評を発表しなかった。市民の自発的な参加で行われた集会であるだけに、大統領府が公式メッセージを出すのは、不必要な誤解を招きかねないと判断したのだ。ただし、匿名を求めて意見を述べた関係者は数人いた。ある関係者は「(集会に)集まった国民の声を重く受け止めなければならない。何に憤り、何を望んでいるのかについて、検察も、韓国政府もよく考えなければならない」と述べた。他の関係者も「瑞草大路を埋め尽くすほどなら、2016年の朴槿恵(パク・クネ)弾劾当時の光化門(クァンファムン)ろうそく集会と同様の規模だ。重く受け止めている」と述べた。

 大統領府は予想をはるかに上回る集会の規模に驚きを隠せず、街から噴出した市民のエネルギーを国政課題の推進の動力にするという考えも明らかにした。ある高官は「国民が昨日、瑞草洞で投げた課題は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に揺ぎなく検察改革を実施してほしいということだ。国民に宿題を与えられたわけだから、それをやり遂げなければならない」と述べた。同高官は「国民の我慢が限界を超えたため、集会に集まったようだ。我々がもっとうまくやらなければならなかったのに、恥ずかしい限りだ」としたうえで、「大統領府や政府与党は、再び気を引き締めて、(改革を)うまく進めなければならない」と述べた。一方、チョ長官をめぐる疑惑が溢れ、検察が組職の死活をかけて捜査に乗り出したことで、推進の動力を失いかけた検察改革が、ろうそく集会を機に蘇ったことに安堵感を感じる雰囲気だった。また別の関係者は、「国民が督励すると同時にムチも取った」と述べた。

 大統領府関係者の間では、これから大統領府の最優先国政課題は検察改革になるということに意見の違いはなかった。大統領府が検察改革に本格的に着手すれば、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)や検察・警察捜査権の調整など、国会の合意が必要なものよりは、古い捜査慣行の改善や人権保護の分野に集中する可能性が高い。文大統領は27日「人権を尊重する節制された検察権の行使が何より重要だ」とし、「検察権行使方式と捜査慣行などの改革が同時に行われなければならない」と強調した。先月1日に文大統領が「大学入試制度全般を再検討するよう」指示した後、学生部総合選考の改善案づくりに着手した教育部のように、法務部が後続対策作りに乗り出す可能性もささやかれている。チョ長官は最近、週刊誌「時事IN」とのインタビューで「検察改革のために歯を食いしばって出勤している」と語った。

 一方、大統領府はチョ長官の進退については、「変動はない」という雰囲気だ。ある関係者は「チョ長官夫人が逮捕されるかどうかがチョ長官の進退の分水嶺になると見られていたが、昨日のろうそく集会で局面が 『検察改革』に移った」と述べた。ユン・ソクヨル検察総長の進退にも変化はないというのが大方の予想だ。文大統領が27日、「検察が改革の主体」だと釘を打っただけに、更迭することはないということだ。ある関係者は「文大統領の考えは、ユン総長が検察改革において重要な役割を担わなければならないということだ」と述べた。

ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/911373.html韓国語原文入力:2019-09-29 20:36
訳H.J

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