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文大統領「節制された検察権を行使すべき」と警告

登録:2019-09-28 06:11 修正:2019-09-29 11:16
チョ長官に対する検察の捜査が「度を越した」と判断 
「検察、厳正ながらも人権を尊重すべき」 
捜査方式・慣行も改革対象であると強調 
与党「旧態依然たる行動を批判」 
最高検察庁「法手続きに則って捜査」
文在寅大統領が29日、大統領府で国務会議を主宰している=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が検察に向かって「節制された検察権の行使が重要だ」として、警告メッセージを送った。大統領が直接検察の捜査と関連して言及するのは極めて異例のことであり、チョ・グク法務部長官に対する検察の捜査方式と世論戦の行動が容認できるレベルを超えたと判断したものと見られる。

 コ・ミンジョン大統領府報道官は27日のブリーフィングで、「チョ長官関連疑惑については厳正な捜査が進行中」とし、文大統領の言葉を伝えた。文大統領は「検察が何の干渉も受けず全検察力を傾けて厳正な捜査を行っているにもかかわらず、検察改革を求める声が高まっている現実を検察は省察してほしい」としたうえで、「検察改革は、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の設置や捜査権の調整などの法制度的な改革だけでなく、検察権の行使のやり方や捜査慣行などの改革が伴わなければならない」と述べた。また、文大統領は「特に検察は国民を相手に公権力を直接行使する機関なので、厳正かつ人権を尊重する節制された検察権の行使が何よりも重要だ。今の検察は、全国民が念願する捜査権の独立と検察改革という歴史的召命を共に持っており、その改革の主体であることを肝に銘じてほしい」と強調した。

 文大統領の今回のメッセージは、「検察権の行使のやり方と捜査慣行」を指摘するのに重点が置かれている。与党のある幹部は、「表現は控えめに見えるかもしれないが、実は検察に対する相当な怒りと叱責が込められたメッセージだ」と分析した。同幹部は「過去とは異なり、自由に捜査できる状況なのに、検察の捜査慣行は旧態以前たるものだと批判した発言」だとしたうえで、「検察自ら検察改革の世論を高めていることを明確にする必要があると判断したようだ」と説明した。検察が「チョ長官の妻のショートメールに証券業界の隠語まであった」という「恥をかかせるための世論戦」を続けることに対する警告の必要性もあったという。

 大統領府内外では、前日起こったチョ長官と家宅捜索を担当した検事との通話をめぐる議論が、文大統領の発言の決定的なきっかけになったと見ている。検察の被疑事実の公表問題が深刻だと見ている状況で、検察と野党の“つながり”をはっきり示した事件だと判断したわけだ。与党では、検察が娘に続き息子を捜査し、11時間にわたるチョ長官の自宅に対する家宅捜索などで、過剰・長期捜査に対する批判世論の高まりを受け、局面転換のため、通話事実を意図的にリークしたものと見ている。

 これと関連し、最高検察庁は文大統領のメッセージの直後、立場を表明し、「検察は憲法精神に基づいて人権尊重を土台に、法手続きに則って厳正に捜査し、国民が望む改革に最善を尽くす」と明らかにした。大統領の批判に対し、直ちに最高検察庁が「法手続きに則って問題なく捜査している」と応酬した格好だ。

 文大統領のメッセージと関連し、野党は「長官に続き大統領まで検察の脅迫に乗り出した」(キム・ミョンヨン自由韓国党スポークスマン)と強く反発し、与党は「検察は大統領の言葉を胸に刻むべきだ」(イ・ヘシク共に民主党スポークスマン)と論評した。

イ・ワン、イム・ジェウ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/911225.html韓国語原文入力:2019-09-27 21:12
訳H.J

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