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平行線をたどった韓日外交…「GSOMIA」関連の韓国政府の決定に注目集まる

登録:2019-08-22 06:23 修正:2019-08-22 07:19
大統領府「GSOMIA、早ければ今日発表」 
NSCを開いた後、文大統領に報告 
「延長する代わりに情報交換を中止する」案が有力 
延長拒否の強硬論も根強く、注目集まる 
 
バンコクでの衝突以来、約20日ぶりに韓日接触 
「協議を約束」などの初の進展にも、各論の隔たりは変わらず
カン・ギョンファ外交長官(中央)が今月21日、中国北京郊外の古北水鎮で開かれた第9回韓中日外相会議で発言している//ハンギョレ新聞社

 韓日外相会談が立場の隔たりを再確認し、平行線をたどっている中、大統領府が日本の経済報復へ対抗カードとして検討してきた「韓日軍事情報包括保護協定」(GSOMIA)を延長するかどうかを近く発表すると伝えられ、韓国政府の対応に注目が集まっている。

 大統領府関係者は21日、「早ければ22日、遅くとも23日にはGSOMIAを延長するかどうかを発表する」と明らかにした。大統領府内部方針はすでにまとめられたとされるが、22日に開かれる国家安全保障会議(NSC)の常任委員会で最終的に点検した後、これを文在寅(ムン・ジェイン)大統領に報告し、政府方針を発表するという順序になるだろうという説明だ。

 大統領府は韓米日安保協力の重要性を考慮し、GSOMIAを延長する一方、当分の間は情報交換を中止する方式で日本に圧力をかける案を有力に検討していることが分かった。ただし、延長の拒否を求める与党内部の“強硬論”が根強い点が政府の決定に影響を及ぼす可能性もある。大統領府のキム・サンジョ政策室長も同日、韓国放送記者クラブ主催の討論会で、「韓米日安保協力は非常に重要な事案なので簡単には決められない」とし、「韓国を信頼できないという国と敏感な軍事情報を交流するのが正しいのかという側面では、最後の瞬間まで検討を重ね、慎重な決定を下す計画」だと述べた。

日本の河野太郎外相(中央)が今月21日、中国北京郊外の古北水鎮で開かれた第9回韓中日外相会議で発言をしている//ハンギョレ新聞社

 同日、中国北京で開かれた韓日外相会談で、両者は従来の相反する立場を固守し、接点を見出すことができなかった。しかし、今後この問題をめぐり、当局者間の接触や協議を続けることを明らかにした。今回の二国間外相会談は、日本が7月1日に韓国に対する輸出規制を発表したことに触発された韓日の紛争局面で2回目の会談だが、事実上は初めて本格的な外交交渉だった。

 しかし、各論では両者は依然として接点を見出せずにいる。カン・ギョンファ外交部長官は「北東アジアの平和と繁栄の土台になってきた自由かつ公正で、透明かつ予測可能な貿易環境が確固たるものになるべきという3カ国外相間の共感を、各国が行動で示さなければならない。一方的で恣意的な貿易報復措置を排除し、地域の貿易にある不確実性を取り除かなければならない」とし、日本側の一方的な輸出規制を真っ向から批判した。

 これに対し、日本の河野太郎外相は会談前日の20日、日本記者たちに「意見交換は望むが、この問題は明らかに韓国側に対応してもらわなければならない話」だというと立場を明確にした。両国関係の悪化の原因は韓国側にあるため、その解決策も韓国が提示すべきということだ。

 にもかかわらず、河野外相は、対話が途絶えないことを望むという点も明確にした。彼は会談直後に行った日本のメディアとの会見で、「互いの立場を明確にしたことに加え、この問題が両国間の最大懸案ということで認識を共有した。問題の確実な解決に向け、外交当局者間のコミュニケーションを続けていこうということでは意見の一致を見た。これからきちんと前進させたい」と語った。さらに「厳しい時期ほど、国民間の交流が重要だ」とし、「むしろこんな時期であればあるほど、国民交流を積極的に行わなければならない」と述べた。また、北朝鮮が短距離ミサイルを繰り返して発射している事実を挙げて、「北朝鮮問題についてしっかりと韓日協力を確認したい」とも述べた。

 カン長官は、日本の輸出規制に対抗し韓国政府がちらつかせてきたGSOMIAの廃棄または更新について、「まだ留保的な立場」であることを河野外相に伝えた。会談に先立ち、外交部側は「GSOMIAを廃棄することも検討している」と明らかにした。特に、GOSMIA問題は同日の会談で日本側が先に切り出し、カン長官は「検討中」という原論的な言及を行った。

 中国側は、韓日紛争を調整する役割に乗り出す姿を見せた。王毅外交部長は20日会談の冒頭発言で、「3カ国間の貿易はこれまで20年間、1300億ドルから7200億ドルへと4.5倍増加した」としたうえで、「中国は韓日との協力を広げていくと共に、多国間主義と自由貿易の原則を守る」と述べた。輸出規制をめぐる韓日間の域内紛争を間接的に批判し、弱いレベルの介入に乗り出したものとみられる。また「中国には『將心比心』(相手の気持ちになって考える)という言葉がある。韓日双方が関心事について互いに配慮し、意見の相違を建設的に解決して、妥当な解決策を模索してほしい」と述べた。しかし、河野外相は会談直後、「中国が日韓関係解決のために介入する可能性があるか」という日本の記者団の質問に対し、「ない」と言い切った。

北京/チョン・インファン特派員、チョン・ウィギル先任記者、イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/906656.html韓国語原文入力:2019-08-22 01:03
訳H.J

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