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「強制労働165万人賠償」ドイツ事例が解決策になるだろうか

登録:2019-08-11 22:05 修正:2019-08-12 07:39
光復節74周年企画 
 
第2次大戦民間人・捕虜動員 
米国で集団訴訟拡大するや 
米・独「訴訟増加で外交負担」 
財団を通した一括解決を説得
1939年、英国に送られたユダヤ人の子どもたち=資料写真//ハンギョレ新聞社

 大統領府が、戦争時期の強制労働被害者に対する賠償問題と関連して、ドイツの事例を細かく調べている。ドイツの強制動員被害補償事例が、日帝強制占領期間の強制動員被害者に対する賠償問題を巡り鋭く対立している韓日両国に適切な先例になりうるとの判断からだ。

 大統領府高位関係者は11日、ハンギョレと会い「ドイツが強制労働について責任を別途認定し、89カ国の被害者を探し賠償したことを国際社会が見守った。ドイツの事例は、アジアだけでなく全世界に日本の強制動員問題を喚起できると期待する」と話した。

 ドイツは、第2次世界大戦期間に民間人800万人と戦争捕虜450万人、合計1200万人以上を強制労働に動員した。その後、責任を認めたドイツは2000年に政府と企業が50億マルクずつ出捐して「記憶・責任・未来財団」を作り、89カ国の強制労働被害者165万人余りに43億ユーロを支給した。

 ドイツ政府と企業も、最初から補償に簡単に応じたわけではなかった。敗戦後、西ドイツは「強制労働は犯罪ではなく戦争の最も不幸な結果」であり、企業はナチの指示に従っただけだとして責任を回避しようとした。だが、1998年から米国で強制労働被害者がドイツ企業を相手に集団訴訟を提起し、この問題が避けられない大きな争点になった。

 集団訴訟問題を解決するために向きあった米国とドイツの政府は、訴訟の増加による外交的・経済的負担を避けようと、訴訟当事者に“財団”を通じた一括解決を説得した。ドイツ企業も集団訴訟にともなうイメージ損傷を強く憂慮して、この方案を受け入れた。米国は財団設立後に裁判所に対し「財団を通じて訴訟問題を解決することが対外政策利益に符合する」との意見書を提出し、裁判所は40件の訴訟原告の自発的棄却を許容した。米国、ドイツの政府と世界各地の被害者代表団の合意により、ポーランド(48万4025人)、ロシア(22万7685人)、米国(4万8804人)だけでなく、日本人3人も賠償を受けた。

 現在日本は、韓国政府が提案した「1+1」(日本企業と韓国企業で共同基金造成)案を拒否している。大統領府の高位関係者は「日本側が要求する提案を含め、すべての事案に対して開かれた心で議論する意向がある。ドイツの事例も良い参照点になる」と話した。

イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/905354.html韓国語原文入力:2019-08-11 20:32
訳J.S

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