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キム&チャン弁護士「強制徴用再上告事件の全員合議体回付は前最高裁長官の決心」

登録:2019-08-08 21:56 修正:2019-08-09 07:39
戦犯企業を代理したキム&チャン法律事務所の弁護士 
司法壟断裁判に証人として出席 
 
ハン弁護士、ヤン前最高裁長官と数回単独で面談 
強制徴用再上告事件の引き延ばしについて共感 
ヤン・スンテ「主審が知らせてくれなかった」不満 
行政府との癒着情況、自筆メモ公開
キム&チャン法律事務所=資料写真//ハンギョレ新聞社

 「イム・ジョンホン前最高裁事務総局次長が『強制徴用再上告事件を最高裁(大法院)全員合議体に回付することにした』と話したことに対し、ヤン・スンテ前最高裁長官の決心があったと証人は思いましたか?」(検察)

 「全員合議体の裁判長である最高裁長官がそう(決心)したのだと推測しました」(ハン・サンホ、キム&チャン法律事務所弁護士)

 日本の戦犯企業の強制徴用賠償責任を問う訴訟で、日本企業を代理したキム&チャン法律事務所所属のハン・サンホ弁護士が、7日に法廷で検察と交わしたやりとりだ。検察は、ハン弁護士が新日鉄住金(現、日本製鉄)を代理して、ヤン・スンテ前最高裁長官と数回にかけて単独面談し、その過程で強制徴用再上告事件の結論を変えるために事件を全員合議体に回付することで二人が共感したと見ているが、関連陳述が公開されたわけだ。

 この日、ソウル中央地裁刑事合議35部(裁判長 パク・ナムチョン)審理で開かれたヤン前最高裁長官の公判に証人として出廷したハン弁護士の証言を総合すれば、彼はヤン前最高裁長官に裁判所の内外で数回会った。日本の戦犯企業の賠償責任を認めた2012年の最高裁判決があった後の2013年3月、ヤン前最高裁長官はハン弁護士と会い「最高裁判決の主審であるキム・ヌンファン主審が少しも知らせてくれなかった」「強制徴用事件は先例に反し、韓日関係にも困難になりうる」と不満を打ち明けた。

 これに対してハン弁護士は、「それほど重要な事案ならば、全員合議体でしてはどうかという疑問に、(ヤン前最高裁長官が)共感を示したと記憶している」と明らかにした。最高裁長官と日本企業を代理する韓国国内の弁護士が会い、再上告事件を覆すための全員合議体回付を議論したのだ。ハン弁護士は、司法研修院でヤン前最高裁長官の4年後輩で、最高裁事務総局で共に勤めた縁がある。

 強制徴用事件を全員合議体に回付するためのキム&チャンと最高裁事務総局間の癒着は、よどみなく進められたと見られる。裁判で公開されたハン弁護士の自筆メモとキム&チャンの内部文書によれば、2015年5月、ハン弁護士はイム・ジョンホン基調室長(最高裁事務総局次長)から政府機関の意見聴取を要求する意見書を裁判所に提出しろとの要請を受けた。その後、ヤン前最高裁長官と会い「外交部に意見書を要請することにした」「外交部が消極的なので心配」と伝えると、「(ヤン前最高裁長官が)共感を示した記憶がある」とハン弁護士は説明した。

 「参考人意見書提出制度」に基づき韓日関係の悪化を憂慮する外交部の意見書が裁判所に提出される過程で、キム&チャンと最高裁事務総局が水面下で接触してきたわけだ。2015年1月に導入された参考人意見書提出制度は、裁判の利害関係者の意見を取りまとめる手続きだ。

 ハン弁護士はこの日、職務倫理上から依頼人が任せた事件の内容は秘密にしなければならないという理由を挙げ、数回にわたり証言を拒否した。

コ・ハンソル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/904953.html韓国語原文入力:2019-08-07 23:17
訳J.S

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