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米専門家ら「北朝鮮ミサイルで対話基調が崩れることはない」

登録:2019-07-26 08:41 修正:2019-07-26 14:24
米政府、「短距離飛翔体」と初期評価 
ケン・ゴース海軍分析センター局長「北朝鮮の行動は予想内…実質的影響はない」 
フランク・オム平和研究所先任研究員「朝米対話、軌道から外れはしないだろう」
北朝鮮の金正恩国務委員長が5月4日、江原道元山虎島半島一帯で行われた火力打撃訓練で短距離飛翔体が発射される様子を望遠鏡で見ている=朝鮮中央ニュース//ハンギョレ新聞社

 ドナルド・トランプ米行政府は、25日に北朝鮮が東海上に発射した飛翔体を「短距離飛翔体」と規定し、この事案が朝米対話に及ぼす影響などを慎重に分析するようすだ。

 米CNNは同日、「米国防当局者の初期評価によると、米国は北朝鮮が少なくとも一発の短距離飛翔体(short range projectile)を発射したものと見ている」と伝えた。米政府高官は同メディアに「われわれは北朝鮮が発射した短距離飛翔体に関する報道について知っている」と述べた。

北朝鮮、短距離ミサイル2発発射//ハンギョレ新聞社

 韓国と米国当局は今回の北朝鮮の飛翔体の正確な諸元について分析しており、ひとまず「短距離飛翔体」として初期評価を行い、慎重な態度を維持しているものとみられる。先月30日、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の板門店会合で、双方が実務交渉の再開に合意しただけに、必要以上に事態が悪化するのを防ごうとする意図と読み取れる。5月の2回にわたる北朝鮮の短距離ミサイルなどの飛翔体の打ち上げに関しても、当時トランプ大統領は「金委員長が私との約束を違反したわけではない」、「国連安保理決議違反ではない」とし、波紋の拡大に一線を画した。

 米国の朝鮮半島専門家たちも、北朝鮮の今回の発射の背景には、来月予定された韓米合同軍事演習が作用した可能性があるとし、今回のことで朝米の対話基調自体が動揺することはないと見通した。ケン・ゴース米海軍分析センター(CNA)局長はハンギョレに「このようなことは、北朝鮮が制裁緩和の要求から安全保障にレトリックを変えたときに、予見されたことだった」と述べた。彼は「北朝鮮が韓米合同軍事演習を約束違反だと言いながら、自分の違反を正当化するのは長年の戦略」だとし、「これは戦略的シグナルにすぎない」と述べた。ゴース局長は「北朝鮮は短距離実験はトランプの『レッドライン』(禁止線)には触れていないと信じている」とし、「したがって、実質的影響はないだろう」と見通した。北朝鮮の今回の発射が5月の発射レベルの「低強度挑発」であるため、これによって米国が北朝鮮との対話をあきらめはしないだろうということだ。

 フランク・オム平和研究所先任研究委員はハンギョレに、北朝鮮のミサイル発射理由について「新ミサイル研究強化、韓米合同軍事演習(8月)に対する不満の表示、あるいは(訪韓した)ジョン・ボルトン国家安保補佐官に対する直接的なメッセージ」など様々だと指摘した。「私はそれでも今回のことで朝米が対話の軌道から外れないだろうと思う」とし、「ただ、北朝鮮が依然として実務交渉の準備ができていないことが心配だ」と述べた。

 スコット・スナイダー米国外交協会先任研究員はワシントンポスト紙に「北朝鮮は非武装地帯(板門店)での朝米首脳会合をわれわれ側の過剰な熱望の証拠として解釈した可能性がある」とし、「それで北朝鮮がやや退いて、何を得られるか見極めている。これは自然な反応だ」と述べた。

ワシントン・東京/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/903313.html韓国語原文入力:2019-07-25 14:34
訳M.C

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