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「米国、日本に韓国をホワイト国から除外しないよう要求」…仲裁に着手

登録:2019-08-01 00:59 修正:2019-08-01 08:03
「紛争中止協定」で状況を“凍結”した後に交渉 
「日本にはホワイト国からの除外の中止 
韓国には差し押さえた日本企業の資産の売却中断を要請」 
今週の韓日・韓米日外相会談 
米国の積極的な介入、日本の反応などは不透明
カン・ギョンファ外交部長官がタイのバンコクで開かれるASEAN関連の外相会議に出席するため、7月31日午前、仁川国際空港を通じて出国している//ハンギョレ新聞社

 ホワイト国(安保上の輸出審査優待国)から韓国を除外する日本政府の決定が秒読みに入ったと見られる中、米政府が韓日両国にこれ以上状況を悪化させる措置を取らないよう、「紛争中止協定」(standstill agreement)に合意するよう促しているという。今週は、韓日外相会談と韓米日外相会議が相次いで開かれる。日本が韓国に対する報復性の貿易規制措置を取ってから、韓日の外相が会うのは初めてであるうえ、米国が韓日対立の仲裁のため、何らかの役割を果たす意向を示しており、結果が注目される。

 ロイター通信などは30日(現地時間)付で、米政府高官が韓日両国に「紛争中止協定」に合意するよう促していると述べたと報じた。「紛争中止協定」は現状を“凍結”し、両国が状況を悪化させる追加措置を取らないようにする内容だ。同当局者は、中止協定の提案が韓国と日本の見解の相違を解決するわけではないが、さらに状況の悪化をもたらす措置を防ぎ、交渉のための時間を稼ぐことを目的としていると述べた。

 朝日新聞は31日付で、米国政府が、韓日両国にそれぞれの「自制案」を提示したと報じた。同紙は米政府関係者の話として、「韓国をホワイト国から除外する閣議決定を行わないよう安倍晋三政府に求めた」と報道した。日本のマスコミは、早ければ2日、日本政府が韓国をホワイト国から外す閣議決定を下すと報道してきた。

 同紙は、米国政府が韓国に対し、「(強制徴用被害者)原告側が差し押さえた韓国内の日本企業資産を(売却などを通じて)現金化することも止めるよう要請した」と報じた。この提案が事実なら、韓日関係の破局を止める可能性もあるが、強制徴用被害者の意思と最高裁(大法院)の判決を尊重すると明らかにしてきた韓国政府としては、難しい課題を抱えることになりかねない。米国政府関係者は「韓日両国に日本の輸出規制について協議する枠組みを作り、問題解決のために協議することを提案した」と、同紙は報道した。

米国のポンペオ国務長官がバンコクに向かう飛行機で、記者団と話している//ハンギョレ新聞社

 (このような提案は、)これまで韓日間の対立について、「韓日両国が外交で解決する問題」だとし、距離を置いてきた米国が、両国を対話の場に引き出す役割を果たす意向を示したシグナルといえる。これによって、ASEAN地域安保フォーラム(ARF)の開催地のタイ・バンコクで1日に開かれる韓日外相会談と、2日ごろに行われるとされる韓米日外相会議が、事態の重要な分水嶺になるかどうかに注目が集まっている。マイク・ポンペオ米国務長官は30日、今週のASEAN地域安保フォーラムで、韓米日外相会議を開催する計画だと明らかにした。ポンペオ長官は同日、バンコク行きの飛行機の中で、記者団に「韓日の対立を仲裁する計画があるか」という質問にこのように答え、「私はカン・ギョンファ外交部長官に会って、河野太郎外相にも会う。それから二人と膝を突き合わせて、彼らが今後進むべき道を探るよう促すつもりだ」と述べた。さらに「我々(米国)が両国それぞれのために良い地点を探すことができれば、それは両国だけでなく、米国にとっても本当に重要であることがはっきり分かるだろう」と述べた。

 米国の態度が“変化”したのは、日本が韓国をホワイト国から外す決定下せば、韓日関係が取り返しのつかないほど悪化し、米国の東アジア政策に大きな打撃になることを考慮した結果とみられる。さらに、日本がホワイト国から韓国を除外すると、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長しない可能性があるという韓国の態度にも注目したという分析もある。韓日軍事情報包括保護協定は、米国が韓米日軍事協力とミサイル防御体制を運用するのに重要な役割を果たす。日本の輸出規制によって半導体などのグローバル供給システムに問題が生じれば、米国企業も打撃を受けかねないという懸念も考慮されたと見る専門家もいる。

 米政府は韓日が一応事態を“凍結”し、外交協議に乗り出すようお膳立てしているように見えるが、どれほど積極的に動くかは不透明だ。さらに、このような状況でも日本がホワイト国から除外する決定を強行すれば、事態は悪化の一路をたどることになる。

日本の河野太郎外相//ハンギョレ新聞社

 日本政府はひとまず否定的な態度を示した。米国が「中止協定」の締結を検討するよう求めたという報道に対し、日本の菅義偉官房長官は「そうした事実はない」と否定した。菅官房長官は同日の定例記者会見で、「日韓関係は現在、韓国側からの否定的な動きが相次いでおり、非常に厳しい状況が続いている」としたうえで、「我が国の一貫した立場に基づき、引き続き韓国側には適切な対応を強く求めていく」と述べた。

 大統領府は外信報道について公式確認せず、「米国が現在の状態が(さらに悪化させず)凍結することを望む態度を取ったものと解釈すべきだろう」と述べた。大統領府関係者は同日、記者団に「このような話が出るのは、日本の輸出規制措置によって生じた様々な状況について、(米政府が)懸念を示しているものと言える」とし、このように述べた。「8月2日に日本が韓国をホワイト国から除外するかについて、大統領府が把握した情報があるか」という質問に対し、同関係者は「韓日や韓米、米日の間で、様々なチャンネルを通じて多角度的に同問題の解決に向けた努力が行われている」とし、「大統領府でも毎日輸出規制措置関連の点検会議が開かれている。ホワイト国からの除外が発表されれば、どのような対応と対応策が必要なのか、業界では何が必要なのか、政府ではどの程度まで対策を打ち出せるかについて、随時議論している」と答えた。

 カン・ギョンファ外交長官は1日午前に開かれる韓日外相会談で、「(韓日)両国関係に破局状態が訪れてはならないという話をするつもりだ」と、31日に明らかにした。

パク・ミンヒ、ソン・ヨンチョル記者、東京/チョ・ギウォン特派員、バンコク/ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/904084.html韓国語原文入力::2019-08-01 00:02
訳H.J

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