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“韓米日3国安保の象徴”である軍事情報保護協定カード、米国の仲裁を引き出せるか

登録:2019-07-23 09:24 修正:2019-07-23 10:17
過去の歴史の対立が安保に転移した状況 
両国を訪問するボルトンの主要議題になる見通し 
 
GSOMIA締結後、交流は微々たるもの 
両国の情報の効用は高くないが、 
3国安保協力の象徴的な意味が大きい 
「米、無関心から立場を変える可能性」
日本を訪問したジョン・ボルトン米国家安保会議(NSC)補佐官(左)が22日、東京で河野太郎外相と会い、握手している//ハンギョレ新聞社

 日本がホワイト国(安保上の輸出審査優遇国家)からの除外など、韓国に対しさらなる経済報復を示唆して緊張が高まる中、韓国政府が「韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄検討」という防御用カードを活用する可能性をほのめかし、同協定が韓日関係の新しい可変要因として浮上している。

 北朝鮮の核・ミサイル試験発射の真っ只中だった2016年に締結されたGSOMIAは、韓日両国が軍事分野で結んだ初の協定で、事実上、韓米日3国安保体制を構築して中国を牽制しようとする米国の東アジア戦略の一環だ。協定を延長するかどうかが、米国の関心事にならざるを得ない。このため、韓国政府がGSOMIAの破棄検討を示唆したことで米国が韓日対立の解決により積極的に介入するかに関心が集まっている。23~24日に訪韓するジョン・ボルトン米国家安保補佐官がチョン・ウィヨン大統領府国家安保室長、チョン・ギョンドゥ国防部長官、カン・ギョンファ外交部長官と会う席でも、GSOMIA問題は主要議題になる見通しだ。

 18日、チョン・ウィヨン室長は「(協定を)状況に応じて見直す場合もある」と明らかにした。19日、河野太郎外相が追加の経済報復措置を暗示する談話文を出した後、大統領府関係者は協定破棄の検討について問う記者の質問に「すべてのオプションを検討している」とし、「客観的分析をもとに、私たちの利益にもっとも合致する決定を下す」と答えた。これと関連して軍事専門家のキム・ジョンデ正義党議員は「日本がホワイト国から韓国を除外したなら、韓国をもはや安保の友好国とは考えないということ」だとし、「GSOMIA締結の趣旨と精神が否定されるのに韓国が再延長をする理由がない」と説明した。

 韓日GSOMIAは、韓米日協力体制を維持する象徴としての意味があるため、韓国政府の「GSOMIA破棄検討カード」に米国がどのように反応するかに関心が集まる。政府当局者は「GSOMIAは米国が東アジア地域で韓米日3国安保協力を強固にしようという次元で締結されたという象徴的な意味合いが大きい」とし、「北朝鮮の核危機への対応という名分もあるが、米国の立場では中国を念頭に置いて3国の安保構図を強固にしようとする目的がある」と説明した。GSOMIAがアジア太平洋地域で中国に対抗する米国の役割を強化するための性格が強いだけに、この協定の延長の締結に米国も関心を持たずにはいられないという話だ。「1945年以降に持続的に強化されてきた韓米日安保協力の方向性が変わる問題であるため、米国としては負担になるだろう」(元国防部高位当局者)、「米国がこれまでの無関心な態度よりは積極的に立場を変えて介入する可能性もある」(元軍関係者)という見通しが出ている。

 専門家たちは韓日対立が極限に達し、韓国がGSOMIAを延長しなくても情報資産の確保レベルで被る損失は大きくないだろうと口をそろえる。韓米日軍事情報の共有状況をよく知る元軍関係者は「韓日が実質的にやりとりする情報のレベルはそれほど高くはない。韓米連合司令部があるため、韓国が日本から直接得る情報は微々たるものだ」と話した。キム・スクヒョン国家安保戦略研究院・対外戦略研究室長は「韓日間の軍事情報交流によって韓国が大きな利益を得たとはみられない」とし、「(韓国のGSOMIA破棄検討の発言は)米国に韓日対立の仲裁を要求するシグナル程度だと読み取れる」と分析した。

ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/902892.html韓国語原文入力:2019-07-22 20:24
訳M.C

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