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トランプ「適切な時期にホワイトハウスへ」金正恩「望めばいつでも」

登録:2019-06-30 23:57 修正:2019-07-01 11:24
トランプ、実務交渉の代表にビーガンを指名  
「非常に包括的なディールをするだろう  
速度は重要じゃない…急ぎはしない」  
北朝鮮、経済制裁解除の可能性も表明  
 
金正恩「トランプと私の間の  
すばらしい関係でなければ  
このような電撃的な再会は不可能」
北朝鮮の金正恩国務委員長とドナルド・トランプ米大統領が30日午後、板門店の自由の家で対話する前に握手している=板門店/キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

 30日午後、真夏の夕立ちのように訪れた板門店(パンムンジョム)での朝米対話と南・北・米首脳の会合という歴史的なドラマが、約1時間8分にわたって繰り広げられた。シンガポールとハノイでの朝米首脳会談の時とは異なり、両首脳は一段と気楽で慣れた様子であり、非公式対話だったがかなりの成果を出した。ドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長をホワイトハウスに招待したことも意味があるが、実質的には膠着状態に陥った朝米対話の突破口を開くために実務会談を始めることで合意したのが核心の成果に挙げられる。トランプ大統領は「交渉を通じた経済制裁の解除」に触れもし、北朝鮮が対話中断後に長距離弾道ミサイルや核実験をしていないという点も高く評価した。

■対話再開に合意…金委員長をホワイトハウスに招請

 トランプ大統領はこの日の朝米対話の後、記者団に対し「金委員長を適切な時期に米国に来るよう招請した」と明らかにし、「金委員長は『いつでも望むときにそうすることができる』と答えた」と伝えた。また「マイク・ポンペオ国務長官の主導で2~3週以内に実務チームを構成し、実務交渉をする」と述べた。実務陣を構成し、非核化交渉と第3回朝米首脳会談の開催に関する議論を始めるという意味だ。トランプ大統領は「われわれは各代表を指定し、包括的な交渉と合意をするという点に合意した」とし、「複雑な多くのことが残っているが、われわれはこれから実務陣の議論を見守る」と説明した。

 これと関連して、トランプ大統領は実務交渉を率いる代表として、スティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表を指名し、ポンペオ長官が実務チームのリストを持っていると伝えた。彼は新しい実務チームについては「過去の相手より新しい相手とより良い対話が行われるだろう」と意味づけした。「北朝鮮側の交渉チームはまだ生きているのか」という記者の質問に対し、「重要な担当者はまだ生存している。残りの北朝鮮の交渉チームも生存していると願う」と述べた。

ドナルド・トランプ米大統領が30日午後、板門店で北朝鮮の金正恩国務委員長と会って挨拶を交わした後、米大統領としては初めて軍事境界線を越えて北に向かった=板門店/キム・ジョンヒョ記者//ハンギョレ新聞社

■経済制裁解除を言及…「急ぐ必要はない」

 トランプ大統領は北朝鮮の経済制裁について、「いつかは解除になると思う。交渉を進めていけば解除されることもありうる」と可能性を残した。

 ただ、トランプ大統領は今後の実務交渉について「急がない」と一線を画した。彼は「(今日)非常に良い対話をした。誰も予想できなかった歴史的な瞬間であり、歴史的な日」だとしながらも「急ぐ必要はない」と述べた。続いて「速度が大事なのではない。急げば制限的な結果を招きかねない。とても包括的なディールをするだろう」と述べた。彼は合意文もなく終わったハノイでの第2回朝米首脳会談に関しても「批判が多いが、成功的だった。たまにそういうことが必要だ」とし、「ハノイが成功だと言った理由は、今日のような出会いにつながったためだ」と話した。

■短距離発射体「ミサイル発射とは考えない」

 トランプ大統領は対話ムードの形成を意識したのか、南北に配慮するような発言を行った。トランプ大統領は朝米対話中断後に行われた北朝鮮の短距離発射体に関する質問に対し、「大半の国でミサイルを発射するが、これは非常に小型ミサイルなので、これをミサイル発射とは考えない。金委員長は長距離弾道ミサイルは発射せず、テストもしなかった。もっと重要なのは、核実験をしなかったということだ」とし、「今はいい経路に向かっている」と述べた。

 トランプ大統領は自らの会談の提案に応じた金委員長にも「感謝の意を表したい。私の提案に反応しなかったら、(米国)マスコミの普段の行動から考えれば私に非常に否定的な結果となっただろう」と述べた。また、「2年半前の状況を振り返ると(当時は)非常に悪く、南北と全世界にとっても危険な状況だったが、私たちが成し遂げた関係は非常に多くの人々に大きな意味をもたらす。本当に歴史的な瞬間」だと述べた。

 これに対し金正恩委員長も「トランプ閣下と私の間のすばらしい関係がなければ、一日でこのような再会が電撃的に行われることはなかったはず」だとし、「人びとが予想できなかった良い仕事をやり遂げ、これから直面する難関と障害を克服する神秘的な力になるだろうと確信する」と答えた。

北朝鮮の金正恩国務委員長が30日、板門店の南側の自由の家でドナルド・トランプ米大統領と会談を終えた後、軍事境界線で文在寅大統領とトランプ大統領の見送りを受けている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

■文大統領「朝鮮半島の非核化、大きな峠を越え」

 この日、助演を自任した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、第3回朝米首脳会談を「朝鮮半島の非核化と恒久的平和プロセスにおいて大きな峠を越えたと思う」とし、「全世界と南北8千万の同胞に大きな希望を与えた」と評価した。続いて「近いうちに(朝米が)実務交渉に突入することにしただけでも、良い結果がすぐ目前に迫ってきたと思う」と述べた。文大統領は「本来はオーレット(Ouellette)警戒所だけを訪問する予定だったが、トランプ大統領の大胆な提案によって歴史的な出会いが行われた」とし、果敢で独創的なアプローチ方式に敬意を表したい」とトランプ大統領を持ち上げた。

 これに対し、トランプ大統領は文大統領に向け「朝米間の対話を行う予定であり、もちろんその場には文大統領もいるだろう」と述べた。

ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/899938.html韓国語原文入力:2019-06-30 21:19
訳M.C

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