文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ大統領が30日、韓米首脳会談を開き、持続的な首脳間の対話と対面が朝鮮半島の非核化と平和を進展させる方法だということに共感した。文大統領は「対話の他には平和を成し遂げる方法はない」としたうえで、「トランプ大統領が朝鮮半島のピースメーカー(Peacemaker)」だと述べた。これに対し、トランプ大統領は「2年半前と比較すると、非常に多くの進展を成し遂げた」と肯定的に評価し、対話への意志を強調した。
文大統領とトランプ大統領は同日、大統領府本館で1時間40分間にわたり首脳会談を行った。コ・ミンジョン報道官は「両首脳は、朝鮮半島の完全な非核化と恒久的平和定着という共同の目標達成案について意見を共にした」と述べた。文大統領はトランプ大統領に「(G20首脳会議で)ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席が伝えてくれた話の共通点は、金正恩委員長の確固たる非核化への意志と体制保証」だと説明した。これに対し、トランプ大統領は「文大統領と良いパートナーシップがあったからこそ、ここまで来ることができた。信頼し、行動を共にしてくれことに感謝する」とし、「不可能だという人も多かったし、容易ではない道だということも分かっている。しかし、うまく行くと信じている」と述べた。
文大統領は会談後の記者会見で、「停戦宣言後、66年ぶりに板門店(パンムンジョム)で米国と北朝鮮の首脳が会う」と発表し、「今日、朝鮮半島は地球上で最も注目される地となった」と述べた。コ報道官は、対北朝鮮強硬派とされるジョン・ボルトン国家安保補佐官が「やるべきことは多いが、類を見ない経験であり、歴史的になかったことが起きている。今日の面会を金正恩(キム・ジョンウン)委員長が受け入れたこと自体でも異例のことだ」と話したと伝えた。
文大統領は首脳会談中、トランプ大統領の役割を強調しており、南・北・米首脳会合の主人公も朝米だと持ち上げた。文大統領は「私も今日板門店に招待された」としながらも、「しかし、今日の中心は朝米間の対話だ。トランプ大統領と金委員長の再会と対話、今後続く朝米対話へとつながる過程として、大きな意味がある」し、「今日は朝米間の対話に集中し、南北対話は再び進めることになるだろう」と説明した。
これに対し、トランプ大統領は「今日の歩みが肯定的かつ正しい方向に進むことを望む。いい予感がする」と語った。特に、トランプ大統領は「なぜ北朝鮮に行こうとするのか。変わったことはあまりない。金委員長は会う資格のある人物なのか」という米国のブルームバーグ通信の記者の批判的な質問に対し、強い口調で反ばくした。彼は「間違った情報を聞いて、何をしているのかという人たちが多い」とし、「なぜ北朝鮮と話し合うのかという質問だが、以前に比べると、我々(米国)はより良い位置にいるのが事実だ。これまで成し遂げたことがとても肯定的であるため、いろいろと評価されている。(米軍)遺骨の送還が行なわれ、人質も救出されており、核・ミサイル実験もない」と強調した。彼は「もしオバマ政権の方針通り進めていれば、今、我々は北朝鮮と戦争や紛争状況にあったかもしれない」と述べた。
また、トランプ大統領は2月にハノイで行われた第2回朝米首脳会談後、南北関係が硬直した点に触れ、「ベトナムでも良い会議があった。十分にその成果が認められる部分があると思う。すべてが交渉の一部」だと説明した。
ただし、両首脳は、寧辺(ヨンビョン)の核施設の廃棄と制裁緩和に関しては、多少意見の相違を示した。文大統領は「寧辺の核団地が完全に廃棄されれば、不可逆的で実質的な非核化の入り口になるだろうと判断しており、その際、国際社会は制裁緩和について検討することもできるだろう」と述べた。これに対しトランプ大統領は特に言及せず、「制裁解除を急がない」とし、「急ぐと問題が生じる」と述べた。