強制労働被害者に対する日本人戦犯企業の賠償責任を認めた最高裁判所(大法院)の判断を理由に、主要20カ国・地域(G20)首脳会議で韓日首脳会談が見送られる中、被害者らの立場に立った判決が再び出た。今回の判決も当事者が全員死亡した後に下され、遺族だけが直接勝訴判決を聞いた。
ソウル高裁民事13部(裁判長キム・ヨンビン)は26日、クァク・ヘギョン氏など新日鉄住金(現日本製鉄)で強制労役した被害者7人が起こした損害賠償請求訴訟で、1審判決同様、新日鉄住金に原告らに1人当たり1億ウォン(約930万円)ずつを賠償することを命じた。被害者たちは1942~45年、日本釜石製鉄所と八幡製鉄所で強制労役した。1日12時間近く溶鉱炉から鉄を溶かす労働を強いられた。
被害者を代理した弁護団は判決後、「訴訟の責任当事者は日本企業だ。日本政府の後ろに隠れて両国間の協議を待つよりも、いかに判決を履行するかを論議しなければならない」とし、日本企業の前向きな姿勢を求めた。弁護人団は「日本の反省と謝罪に対し、両国の努力が必要だ」と付け加えた。前日、日本で開かれた株主総会で、日本製鉄は「韓国の最高裁の判決は非常に遺憾だ。韓日政府間の外交交渉状況を踏まえ、適切に対応する」という従来の立場を繰り返した。
同日の判決は、2015年12月にソウル高等裁判所に事件が受け付けられて以来、3年7カ月ぶりに下された。朴槿恵(パク・クネ)大統領府とヤン・スンテ最高裁が強制徴用賠償判決を覆す案を論議するのに時間をかけたため、裁判が遅れたのだ。今年2月、この事件の唯一の生存者だったイ・サンジュ氏もこの世を去った。弁護人団のイム・ジェソン弁護士は「司法壟断の裁判取引が行われた時期だったため、控訴審にも時間がかかった。被害者たちの若かりし日々に対する補償が遅れた点と関連し、責任を問わなければならない」と述べた。