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水の上に上がったハブレアニ号…行方不明者4人はまだ見つからず

登録:2019-06-12 09:49 修正:2019-06-12 11:59
11日午前7時10分事、水上に引き揚げられ…韓国人3人、ハンガリー人船長など収拾
11日午前(現地時間)、ハンガリー・ブダペストのドナウ川のマルギット橋の下でクレーンのクラークアダム号が引き揚げを開始した後、船内の遺体収拾と船尾の継ぎ目の追加作業を終え、ハブレア二号全体の姿が水面上に現れている=ブダペスト/シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国人観光客など35人を乗せて先月29日夜9時5分ごろ(以下現地時間)、ハンガリー・ブダペストのドナウ川で沈没した「ハブレア二号」が、事故から13日目の11日、水上に姿を現した。船内捜索を通じて同日まで見つけられなかった行方不明者8人(韓国人7人、ハンガリー人1人)のうち、ハンガリー人船長と6歳の子どもを含む韓国人3人など計4人の遺体が収拾された。同日午後1時30分(韓国時間夜8時30分)、船内捜索が終わったハブレアニがバージ船に移されるまで、韓国人行方不明者4人は発見されなかった。

 本格的な引き揚げを控えた同日午前から、事故現場のドナウ川のマルギット橋付近には緊張感が漂っていた。午前6時47分、200トンを引き上げることができるクレーン「クラークアダム号」がハブレアニを囲んだ4本のワイヤーを引き上げ始めた。ブダペストの気温は22度、風は穏やかで、天気は快晴だった。初期の引き揚げは順調に行われた。水深6.8メートル下に沈んでいた高さ5.4メートルのハブレアニは、引き揚げ開始から30分も経たず午前7時10分頃、水面に姿を現した。現場にいた韓国・ハンガリーの取材陣と市民など200人余りは、同時に「ああ」と深いため息を吐いた。

11日午前7時10分ごろ(現地時間)、ハンガリー・ブダペストのドナウ川のマルギット橋の下でクレーンのクラークアダム号とバージ船の間でハブレアニ号が徐々に船体をあらわしている=ブダペスト/シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 一番先に水の外に出たのは操舵室だった。操舵室が完全に姿を現すと、クラークアダムはワイヤーを引き上げるのをしばらく止めた。その後、ハンガリーの捜索要員たちが船の上に上がり、7時43分に操舵室からハンガリー人船長と推定される行方不明者を収拾した。船長の遺体は引き揚げ場所の近くに行方不明者の数だけ用意された小型警備艇に移され、陸に向かった。残った警備艇の数は7艇になった。

 7時55分に2階のデッキまで姿を現したハブレアニは、事故当時の衝撃のためか、いたるところがねじ曲がり、へこんでいた。ハンガリー側が担当することにした1段階の操舵室の捜索が終わった後、韓国側捜索要員2人が追加で投入され、デッキなどで行方不明者を探す2段階捜索を始めた。韓国とハンガリーの捜索要員4人は2階の船尾・甲板で捜索の妨害になる物を片付けながら、行方不明者を探し始めた。捜索要員たちは8時4分から14分までの間に、韓国人と推定される行方不明者3人を操舵室後方で相次いで発見した。母方の祖父母と母親など3代が一緒に搭乗した最年少の搭乗客である6歳の子どもも含まれていた。白い防疫服に安全帽をかぶった韓国側の運柩要員たちは、行方不明者がオレンジ色の担架で船の外に出ると、遺体をしばらく下ろした後、敬礼で礼を示した。

11日(現地時間)、ハンガリー・ブダペストのドナウ川でハブレアニ号が引き揚げられている。船内捜索と排水作業が行われている間、船体の外壁には破損した跡が見える=ブダペスト/シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 2段階捜索は8時50分頃に終わったが、船をすべて上げて1階の船室の中を捜索する3段階の作業はすぐに続かなかった。ハブレアニの船尾のほうが予想より大きく破損した状態だったため、補強作業が必要だったからだ。ハンガリー当局は捜索を中断し、ハブレアニの船尾にワイヤーをかける作業を始めた。52トンの重さのハブレアニを6筋の鋼鉄で作られたワイヤー5本が支えた。

 2段階捜索が終わった9時ごろには、ハンガリーのシャーンドル・ピンテル内務長官が引き揚げ現場と行方不明者家族らが作業を参観する現場状況室を訪問し、犠牲者たちの冥福を祈り、家族たちに引き揚げと遺体収拾に最善を尽くすと明らかにした。

 クラークアダムは9時40分に再び作業を開始した。1階の船室が水面に出ると、引き揚げはしばらく中止され、船首・船尾から水を抜く作業が始まった。韓国とハンガリー捜索要員は排水作業が終わった午前11時5分、1階の船室に入って行方不明者の捜索を再開した。1階の船室には事故当時脱出できなかった行方不明者らが集まっているものと予想された。しかし、1階の船尾船室、選手船室、甲板の順番で捜索した捜索要員らは、行方不明者を1人も見つけることができなかった。

 捜索が終わった後、ハブレアニは午後1時30分頃バージ船に移された。以後、チェペル島で船舶精密鑑識が行われることになる。ハンガリー警察庁のクリストフ・ガール報道官は「船舶をチェペル島に移し、船内に残っているかもしれない行方不明者を探す計画」だと述べた。韓国とハンガリー当局は、引き揚げが終わった後も、ハブレアニが沈んでいた場所と下流を追加で捜索し、行方不明者を探し出す予定だ。

ブダペスト/パク・ユンギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/897516.html韓国語原文入力:2019-06-11 22:04
訳M.C

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