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「頭の黒い獣は引き取るな」難民ヘイトのコメントで消えない心の傷

登録:2019-06-05 09:12 修正:2019-06-05 12:12
人権委嫌悪差別予防キャンペーン「それぞれの色で、向き合って」推進 
イラン出身の難民キム君「難民狙ったコメントが胸に刺さっている」訴え
4日、「向き合って」キャンペーンに参加したチェ・ヨンエ国家人権委員長、キム・ミンヒョク君(イラン難民)、キム・ジユさん(貞信女子高1年生)、チョン・ガンジャ氏(嫌悪差別対応特別推進委共同委員長)、オ・ヒョンロク氏(亜州中学校教師)=国家人権委員会提供//ハンギョレ新聞社

 「『お腹に芽生えた生命はむやみに捨ててはならないが、頭の黒い獣は引き取るもんじゃない』と、私に向けて書かれたインターネットのコメントは、今でも忘れられず胸に刺さっています」

 イランのテヘランで生まれたキム・ミンヒョク君(17)は、2010年に7歳のとき事業家の父親について韓国に来た後、絶えず「外国人」と「難民」に対する偏見とヘイト(嫌悪)に苦しめられた。昨年10月に難民の地位を認められたキム君は「難民の地位を認められる前と、認められたいま受けている差別とヘイトは、大きな違いがない」と話した。難民認定を受ける前は韓国語ができない「外国人」という理由で、その後は「難民は貧しい」「自分の就職のために難民になった」「難民を受け入れれば犯罪が増える」などといった難民に対する偏見に悩まされた。キム君は「考えるのは自由だが、考えの表現が誰かにとって大きな傷になる」と吐露した。

 韓国にやってきてイスラム教からカトリックに改宗したキム君とキム君の父親は、改宗を重罪とみなすイスラムの律法上イランに帰ることができず、2016年5月に韓国政府に難民申請をした。しかし、法務部はキム君の宗教的価値観がまだ確立されていないとみて、申請を受け入れなかった。結局、キム君は再審査請求を通じて、2年後の昨年10月、難民認定を受けた。昨年キム君と同じ亜州中学校に通い、難民認定運動を繰り広げたキム・ジユさん(17)は「ミンヒョクの難民申請を受け入れない法務部と最高裁判所に憤り、悔しかった」とし、「学生会を招集し、大統領府の国民請願を上げて出入国庁でデモをした」と説明した。キムさんは「まだ難民の地位が認められていないキム君のお父さんのために生徒や教師たちから嘆願書をもらう過程は、キム君よりも難しかった」と言い、「難民が私たちと何の関係があるの?」「私は難民受け入れに反対」という論理を展開する友人や先生たちを見て、胸がつぶれる思いだった」と明らかにした。

 国家人権委員会は4日、ソウル中区にある人権委学びの場でヘイト差別問題の社会的共感を形成し、国民認識を改善するためにキャンペーンを行なったと明らかにした。キャンペーンのスローガンは「それぞれの色で、向き合って」だ。社会的マイノリティと偏見なく「向き合って」、多様な個人が尊重され、各自のアイデンティティを維持しながら調和をなすことができることを表現した。

 キム君とキムさんはこの日、キャンペーンの宣告式に出席し、イラン出身のキム君の難民審査過程で向き合ったヘイトと偏見、差別、そしてこれに対抗して連帯した経験を発表した。キムさんと共にキム君の難民地位認定を積極的に助けた亜州中学校教師のオ・ヒョンロクさんは、人権委嫌悪差別対応特別推進委員会に「あまりにも不当にニセ難民に追い込まれる難民が多いという点を浮き彫りにし、難民法改悪反対の前線、さらには嫌悪と差別反対の前線に知識人を参加させてほしい」と訴えた。

 人権委はラジオ公益広告とSNSハッシュタグキャンペーンなど、オン・オフラインでさまざまな方法で「向き合って」キャンペーンを推進する計画だ。

クォン・ジダム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/896659.html韓国語原文入力:2019-06-04 19:25
訳M.C

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