「本当に申し訳ない。『光州』という言葉を聞くたびに涙が出る」
キム・ヨンジャン元在韓米軍情報官(72)は14日、光州(クァンジュ)5・18記念文化センターの大同ホールで開かれた証言会で、低い声で心境を明らかにした。その場には5月団体のメンバーらと市民など300人あまりが出席し、キム氏の証言に高い関心を示した。証言に先立ち、遺族は彼を抱きしめて感謝の意を伝え、市民らは花束を渡して歓迎した。
彼はあいさつの言葉で「光州出身として、国内にいる時も、海外に滞在する時も、心は常にここにあった。光州のことを考えると、悔しさのあまり、どこから始めてどこで終わらせればいいのかわからなくなる」と切り出した。さらに、「心の中に大きな十字架があったが、これを言えば私や家族、友人を誰も守れないということが分かっていたから、39年の間、口をミシンで縫い上げたように生きてきた。退職する際に保安覚書を書いたが、約束を守ることよりも光州の真実を知らせることが重要だと考え、証言した」と述べた。
彼は「緊迫した1980年、10日間で報告書40件を書いた。これは米陸軍501情報旅団光州派遣隊で、1年間に生産する情報量に匹敵する。報告書に全斗煥(チョン・ドゥファン)の光州訪問やヘリコプター射撃、便衣隊の派遣、戒厳軍による性的暴行などを書いた。これからは韓国政府が米国政府に文書の原本の公開を要求し、『新軍部によって書かれたシナリオ』の真相を明らかにせねばならない」と強調した。
共に証言したホ・ジャンファン元505保安隊捜査官(70)は「私はシナリオの企画と実行に参加し、キム氏はこれを外部からの視線で報告した。新軍部が光州を選んで内乱を扇動し、政権掌握に至った真相を究明することが重要だ」と述べた。
5・18当時、30代前半の情報要員だった彼らは18日まで光州に滞在し、旧全南道庁前の虐殺現場を訪問し、5・18民主化運動39周年記念式に出席する予定だ。
イ・チョルウ5・18記念財団理事長は「二人の勇気と良心に賛辞を送る。5・18真相究明委員会を急いで構成し、二人の証言を確認して、光州の真実を明らかにしなければならない」と誓った。