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中国、脱北者・密輸監視のため朝中国境地域に「5G検問所」を設置

登録:2019-04-10 05:56 修正:2019-04-10 07:21
ドローンによるパトロールや夜間モニターなど取り締まりを強化
4月8日に正式開通した中国吉林省集安と北朝鮮滿浦をつなぐ国境の橋。正式開通後、観光客などを乗せたバスが初めて中国から北朝鮮に向かっている//ハンギョレ新聞社

 中国が脱北者を取り締まり、密輸を防ぐため、北朝鮮との国境地域に第5世代移動通信(5G)の技術を適用した検問所を設置すると、中国の「法制日報」と香港の「サウスチャイナ・モーニングポスト」が9日付で報道した。

 「法制日報」の報道によると、中国吉林省通化地域の国境パトロール隊と中国最大の移動通信会社の「チャイナ・モバイル」は先月23日、北朝鮮慈江道の雲峰湖(ウンボンホ)に隣接した雲峰検問所に、中国で初の5G検問所を建設する内容の協約を締結したという。同検問所は、鴨緑江(アムノクカン)の川辺にある朝中国境都市の集安市(通化市管轄)に建設される。同地域は、脱北者が中国に向かう主要拠点となっており、密輸も多いが、険しい山岳地帯が広がり、監視対象地域が広いため、取り締まりに困難があった。5Gの検問所が設置されれば、パトロール隊員がVRゴーグルを着用して、リアルタイムで監視を行う一方、ドローンによるパトロールや夜間監視モニターなどを5G網でつなげることで、取締りがさらに強化されるものと予想される。モデル事業で建設された同5G検問所の効率性が認められれば、朝中国境全域に広がる可能性もある。

 「サウスチャイナ・モーニングポスト」は、2月にハノイで行われた朝米首脳会談が物別れに終わった後、中国当局が北朝鮮の食糧難が深刻化して脱北者が増える可能性などを懸念し、同検問所の設置を進めていると報じた。

 一方、2016年に完成されたものの、開通が先延ばしされてきた中国の集安と北朝鮮の滿浦(マンポ)の国境をつなぐ橋が8日、正式に開通した。国連安全保障理事会(安保理)の対北朝鮮制裁などを意識して開通を見送ってきた中国政府が、今回開通に踏み切ったのは、観光など制裁と関連のない分野で、朝中経済協力と交流を活発に進めるためと見られる。ある外交専門家は「中国が国連安保理制裁は遵守しながら、中国人観光客の北朝鮮観光や北朝鮮人材の教育など、制裁違反ではない分野では北朝鮮との協力を深める案を模索している」と述べた。

パク・ミンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/889361.html韓国語原文入力:2019-04-09 20:49
訳H.J

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