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朝鮮戦争後初めて非武装地帯を開放…高城に「平和の散策路」

登録:2019-04-04 09:14 修正:2019-04-08 07:56
高城で試験的に運営…坡州・鉄原も追加で開放 
DMZ内では車でのみ移動する予定 
生態系破壊の憂慮に「人為的な開発を自制」
非武装地帯(DMZ)散策路の坡州地域の予想図=行政安全部提供//ハンギョレ新聞社

 朝鮮戦争以後、約70年にわたり一般人の出入りが制限されてきた非武装地帯(DMZ)に、市民が訪問できる散策路がつくられ、今月末から公開される。

 政府は3日、非武装地帯のうち3つの地域に平和安保体験路(仮称「DMZ平和の散策路」)を造成し、4月末から段階的に国民に開放する計画だと明らかにした。開放される地域は、9・19南北軍事合意によって監視警戒所(GP)の撤去、遺体発掘など緊張緩和作業が進められている高城(コソン、東部)、鉄原(チョルウォン、中部)、坡州(パジュ、西部)の3カ所で、今月27日、高城地域から試験的に開放する。

非武装地帯(DMZ)散策路の鉄原地域の予想図=行政安全部提供//ハンギョレ新聞社

 平和散策路の東部の高城地域は、統一展望台からはじまり、海岸の鉄柵に沿って金剛山(クムガンサン)展望台まで訪問する区間につくられ、非武装地帯は含まれない。海岸の鉄柵に沿って歩く2.7キロのAコースや、車で統一展望台~金剛山展望台を往復する約4.5キロのBコースに分けられる。

 散策路の中部の鉄原地域は、白馬高地の戦跡碑からはじまり、非武装地帯の南側の鉄柵路に沿って一般前線警戒所(GOP)の通門までの5.9キロを歩き、車で共同遺骨発掘現場と隣接したファサルモリ高地の非常駐監視警戒所を訪問する約15キロの距離でつくられるものと予想される。西部の坡州地域は、臨津閣(イムジンガク)からはじまり都羅山(トラサン)展望台を経由し、撤去された監視警戒所を訪問する約21キロの区間だ。鉄原と坡州地域の区間は、国連軍司令部と協議した後、段階別に開放する予定だと政府関係者は明らかにした。国防部当局者は「国連軍司令部と事実上合意がなされており、内部承認の手続きを残すのみ」と伝えた。

非武装地帯(DMZ)散策路の高城地域の確定地図=行政安全部提供//ハンギョレ新聞社

 「生態系の宝庫」と呼ばれる非武装地帯に対する保存対策がないまま市民に開放され、生態系に悪影響を与えかねないという懸念の声も出ている。非武装地帯の生態系保全対策が抜けているということだ。緑色連合はこの日、声明を出し「生態系への影響が十分に検討されなければならず、国民の安全を脅かす要素も除去しなければならない。しかし、平和の散策路にはこのような過程をすべて省略して、たったの3カ月でDMZに探訪路を造成し、人々を引き込もうとしている」と批判した。環境運動連合も4日、光化門(クァンファムン)の政府ソウル庁舎前で、非武装地帯を脅かす今回の平和の散策路開放計画に関する緊急記者会見を開くと、この日明らかにした。

 これに対して政府は、道路や鉄柵など従来の施設をそのまま保存しながら開発を最小化すると明らかにした。政府のある関係者は「人為的開発行為を最小化するため、事業自体が環境的に大きな懸念があるとは判断しない」と強調した。政府は外来種の流入、野生動物の移動妨害などを最小化するための措置を取るとともに、生態系が破壊されていないかを周期的にモニタリングする方針だ。環境部の関係者も「外来種の伝播を防止するための施設を設置し、野生動物の移動権の確保策を協議している」と明らかにした。

 散策路の造成には、この日南北交流協力推進協議会からの支援が議決された南北協力基金43億8150万ウォン(約4億3千万円)が使用される。統一部はこの事業について「9・19南北軍事合意の履行事業であり、『非武装地帯世界平和公園』の初期事業」だと説明した。試験的に運営される高城地域訪問の申請は、行政安全部の非武装地帯統合情報システム「DMチギ」または韓国観光公社の徒歩旅行ホームページ「トゥルヌビ」より、11日からオンラインで行うことができ、参加者は抽選で決まる。

チェ・ユンテ、ノ・ジウォン記者、イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/888640.html韓国語原文入力:2019-04-04 04:59
訳M.C

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