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北朝鮮、大使館侵入事件に初めて反応「深刻なテロ行為…注視している」

登録:2019-04-01 00:34 修正:2019-04-02 05:03
事件発生から1カ月後、初めて立場表明 
「国際法に則った公正な処理」求める
3月13日、スペイン・マドリード駐在の北朝鮮大使館前で、ある大使館職員が記者団に写真を撮らないよう注意している=マドリード/AP 聯合ニュース

 今年2月、駐スペイン北朝鮮大使館侵入事件が発生してから約1カ月後、初めて北朝鮮が公式の立場を表明した。北朝鮮外務省は、同事件を「重大なテロ行為」と規定したうえで、米連邦捜査局(FBI)と反北朝鮮団体などが関与している可能性を「注視している」とし、スペイン当局に「公正な処理」を求めた。

 北朝鮮官営の「朝鮮中央通信」(以下中通)は31日、北朝鮮外務省報道官が記者の質問に答えた内容を報道した。外務省報道官は「2月22日、武装強盗たちがエスパーニャ(スペイン)駐在朝鮮大使館を襲撃し、大使館成員らを縛り、殴打し、拷問したうえ、通信機材を強奪する厳重なテロ行為が発生した」とし、この事件は「外交代表部に対する不法侵入と占拠、強奪行為」と述べたと、中通が報じた。

 この記事で北朝鮮外務省報道官は同事件が「国家主権に対する厳重な侵害」であり、「乱暴な国際法の蹂躙」だとし、「このような行為は国際的に絶対に許されてはならない。今回のテロ事件に米連邦捜査局と反共和国団体が関与しているなど、各種説が流れていることに対し、我々は注視している」と付け加えた。

 北朝鮮当局は記事で、該当事件の背後に米連邦捜査局がいるかもしれないという疑惑を「各種説」だと表現し、発言のレベルを調整したものとみられる。反北朝鮮団体「自由朝鮮」は最近、今回の大使館侵入事件が自分たちの犯行であり、米連邦捜査局と接触したと明らかにした。しかし、米連邦捜査局は「捜査が存在するかどうかを確認も、否定もしないというのが、我々の一般的な慣行」だとして、言及を避けた。米国務省は「米政府はこの事件と無関係だ」と線を引いた。「自由朝鮮」は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の異母兄弟で、2017年マレーシアで殺害された金正男(キム・ジョンナム)氏の息子、キム・ハンソル氏と彼の家族を安全な場所に移動させたと主張した「千里馬民防衛」の後身だ。

 外務省報道官はインタビューで、スペイン捜査当局に「責任ある捜査」と「国際法に則った公正な処理」を期待するという立場を明らかにした。外務省報道官は「我々は、事件発生地のエスパーニャ当局が最後まで責任を持って事件捜査を進め、テロ分子とその黒幕を国際法に則って公正に処理することを望んでおり、その結果を忍耐強く待つ」と述べた。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/888065.html韓国語原文入力:2019-03-31 21:09
訳H.J

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