キム・ヨンチョル統一部長官候補者は「朝米対話の再開を促進し、恒久的平和定着を推進するためには、持続的な南北関係の進展が必要だ」と述べた。
キム候補者は26日、国会外交統一委員会が開いた人事聴聞会で、「朝米双方が早期に再び会い、接点を見出せるよう、創意的な解決方法を模索する」として、このように強調した。
キム候補者は「(北朝鮮が)基本的に核と経済の二つを同時に手に入れることはできない」とし、「経済を集中的に開発するという北朝鮮の戦略を、非核化の促進要素として活用する必要がある」と述べた。さらに「(既存の強圧的非核化方法ではなく)協力的脅威の減少(CTR: Cooperative Threat Reduction )プログラムを含め、様々な方法を模索したい」と付け加えた。キム候補者は、「協力的脅威の減少」プログラムとは「核・ミサイル施設を解体するかわりに、その地域に産業支援を行うことで、問題を根本的に解決する方法」だと説明し、「平和と経済の好循環を実現していきたい」と述べた。
キム候補者は「ハノイ(朝米首脳)会談で『スナップバック』(制裁を解除するものの、違反時には制裁を復元)条項について議論したこと自体は、非常に注目すべき部分」だと述べた。さらに「北朝鮮は寧辺(ヨンビョン)を放棄する立場を明らかにし、米国は連絡事務所や終戦宣言、スナップバック条項を考慮していることが確認された」とし、「こうした部分を総合的に考慮し、新しい案を作ることができるのではないかと思う」と述べた。
与野党は、キム候補者の政策志向をめぐり鋭く対立した。与党の共に民主党側はキム候補を「最高の専門家」と評価する一方、野党側は「北朝鮮の報道官」(チョン・ビョングク正しい未来党議員)、「親北朝鮮主義者」(キム・ムソン自由韓国党議員)などと非難した。
キム候補者は以前ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などで、やや荒っぽい言葉で明らかにした政治・政策的見解をめぐり議論になったことについて、「ほかの方々の心を傷つけた部分について深くお詫び申し上げる」と冒頭発言で明らかにした。それでも野党議員は「精神状態がノーマル(正常)ではない」(チョン・ジンソク自由韓国党議員)など猛攻を浴びせ、ソン・ヨンギル、イ・インヨン議員など与党議員らも「慎重な行動」を求めた。野党議員らは、パク・ワンジャ氏殺害事件(2008年金剛山を観光中の民間人が北朝鮮哨兵の銃撃で死亡した事件)と天安艦沈没事件に関連するキム候補者の過去の発言についても攻勢を続けた。
一方、ユ・ギジュン自由韓国党議員は2006年不動産実取引申告制度が実施される前に、キム候補者夫婦が何度も不動産の売買価格縮小契約書を作成した事実があるのかと問い詰めた。キム候補者は「2006年以前には細かくチェックしていなかった。深く反省している」と述べ、それを認めた。