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民心反映する国会作りに向けた「選挙制度改編」の第一歩踏み出した

登録:2019-03-19 05:54 修正:2019-03-19 08:04
与野党4党「50%連動型比例制」に合意 
「勝者独占」の構図を破り、地域主義を緩和 
シム委員長「各党が追認すればファスト・トラックに」 
正しい未来党と平和党内部の反発乗り越えなければならず
シム・サンジョン国会政治改革特別委員長が今月18日午後、国会で与野党4党選挙制度改編の合意案に関する記者懇談会を行っている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 自由韓国党を除く与野党4党(共に民主党、正しい未来党、民主平和党、正義党)が現行より比例代表議席を増やし(47議席→75議席)、政党得票率と議席数の連動を最大限増やす内容の暫定合意案を発表したことで、選挙制度改革が軌道に乗った。昨年12月、与野党5党の院内代表が「連動型比例代表制の導入」などに向けた協議に合意してから、3カ月ぶりのことだ。 国会で2大政党が“過剰に”代表され、組織力や資金力で劣る不利な少数党または第3党が周辺化される“民心の歪曲”現象に対する問題意識が初めて実を結んだものと言える。しかし、「比例性・多様性の強化」を骨子とした選挙制改革案が、迅速処理案件(ファスト・トラック)に指定され、本会議で最終処理されるまでは、各党の内部反対を乗り越えなければならないなど、課題が残っている。

■比例性・代表性を高めた選挙制度改革

 国会政治改革特別委員会委員長のシム・サンジョン正義党議員は18日、記者懇談会を開き、「与野党4党は(昨年12月の)与野党5党の合意を尊重し、国民の意思を反映して、統一案を作った」とし、「これから、(国会)法制室の法律検討と各党で追認の手続きを経て共同発議すれば、直ちに政改特委のファスト・トラックの指定手続きに入る」と発表した。

 現行の選挙制度は、一つの選挙区で当選者1人を選ぶ小選挙区制を基盤としている。一票でも多く得た候補が当選する「勝者独占型」の選挙制度だ。しかし、この制度については、死票の量産▽地域主義の深化▽2大政党への偏向などの問題とともに、2大政党が政党支持率に比べて議席を増やすなど、“民心”をきちんと反映していない点が指摘されてきた。特に、昨年の6・13地方選挙で、共に民主党と自由韓国党が全国基礎議会全体議席の90%を占めるなど、過剰代表の問題が浮き彫りになったことを受け、進歩政党や第3党、市民社会などを中心に選挙制度の改革を求める声が高まった。

 昨年12月には、ソン・ハクキュ正しい未来党代表とイ・ジョンミ正義党代表が国会でハンストを行い、ハンスト10日目を迎えた12月15日、ホン・ヨンピョ(共に民主党)、ナ・ギョンウォン(自由韓国党)、キム・グァニョン(正しい未来党)、チャン・ビョンワン(民主平和党)、ユン・ソハ(正義党)院内代表は緊急記者会見を開き、「連動型比例代表制度導入案の検討」や「議員定数の拡大に関する協議」などの内容を盛り込んだ選挙制度改編に向けた合意文を発表した。

 シム議員は「これまで国民が望む選挙制度改革は、民心をそのまま反映した国会を作れということだった。勝者独占の選挙制度を改善し、比例性と代表性を高め、地域主義を緩和し、消耗的な両党対決構図ではなく、合理的で多様性が最大限に反映される国会作りを求めるものだった」と強調した。

■正しい未来党と民主平和党内部で反対意見が続出

 しかし、各党の内部事情を見ると、複雑な計算が働いている。全羅道を支持基盤とする民主平和党の場合、政党の中で真っ先に議員総会を開き、選挙制度改革案を追認する問題を議論したが、議決定足数の不足で、19日に再び論議することにした。ユ・ソンヨプ最高委員は同日の会議で、「共に民主党が提示した300人以内連動型比例制度に合意するなら、合意をしない方が良い。ノー・ディールがスモール・ディールよりましだと言われているように、合意に至らない方が長い目で見ると(我が党にとって)良いかもしれない」として、反対意思を表明した。

 院内29議席を占めており、キャスティング・ボートを握っている正しい未来の党の状況はさらに“嵐”を予告している。特に、正しい政党出身の議員を中心に、ファスト・トラック自体に反対する声が高まっているという。オ・シンファン正しい未来党事務総長は同日、MBC(文化放送)のラジオ番組「シム・インボの視線集中」とのインタビューで、「離党する意向を示した議員たちもいると聞いた」と述べた。正しい未来の党支部委員長10人も、ファスト・トラックに対する反対声明を発表した。ただし、指導部は突破への意志が強いものと見られる。ソン・ハッキュ代表は「(選挙制度の草案は)見方によっては、最悪の事態を避けるためのものとも言える」としながらも、「連動型比例代表制選挙制改革に向けて一歩を踏みだそうというのだ。ファスト・トラックに載せておかなければ、これまで進めてきた選挙制度の改革が水の泡となる」と述べた。

 与野党4党の議論で孤立した自由韓国党の反発は一層強まっている。自由韓国党は同日、「左派独裁を阻止するための国会議員及び党協委員長非常会議」を開き、「左派独裁政権の寿命延長を狙った立法クーデター」(ファン・ギョアン代表)、「希代の権力取引であり、野合」(ナ・ギョンウォン院内代表)だと主張した。

■「改革立法」に向けた協議も課題に

 与野党4党は選挙制度改革案とともにファスト・トラックに載せることにした高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の設置法案と、検察と警察の捜査権調整の単一案作りの課題も抱えている。共に民主党のホン・ヨンピョ院内代表は同日、記者団に「今日でも直ちに選挙法を含めた改革立法に対する与野党間の交渉を始めるのが望ましい。公捜処法は20年間(野党が)反対しており、実現が難しい状況だったため、やむを得ずファスト・トラックという制度を活用することにした」と述べた。正しい未来党の院内指導部は、改革立法の議論には積極的だ。正しい未来党のキム・グァニョン院内代表は「選挙法関連交渉がある程度終了したため、検察と警察の捜査権の調整や公捜処の設置などについて党内で意見集約を行い、党の意思を決めた後、その案を持って他の党と単一案を作る作業を進めていく」と述べた。

 実際、ファスト・トラックへの道には、大きな山がいくつも待ち受けている。まず、実務交渉を通じて誕生した選挙制度改革案に対する与野党4党の院内代表の最終合意が必要だ。その後、各党が議員総会を経て党方針として追認し、最後に正式に国会政改特委(選挙法)と司法改革特別委員会(公捜処法,検・警捜査権関連法)で処理する手続きを経なければならない。

ソ・ヨンジ、チョン・ユギョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/886429.html韓国語原文入力:2019-03-18 21:28
訳H.J

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