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“コメント捜査妨害”ナム・ジェジュン元国家情報院長に実刑確定

登録:2019-03-14 21:47 修正:2019-03-15 08:12
最高裁、懲役3年6カ月宣告 
チャン・ホジュン元釜山地検長は懲役1年 
チャン元地検長などの職権乱用は無罪 
司法壟断ヤン・スンテの主張論理と酷似
朴槿恵政府時期の国家情報院による“コメント事件”に対する捜査と裁判を妨害した容疑で起訴され、1審で実刑を宣告されたナム・ジェジュン元国家情報院長が2審の宣告公判を終えた昨年11月16日午後、瑞草区のソウル高裁から出てきている。ナム元国家情報院長は、控訴審でも懲役3年6カ月を宣告された//ハンギョレ新聞社

 ナム・ジェジュン元国家情報院長らは、2013年ソウル中央地検国家情報院コメント操作事件特別捜査チームの押収捜索に備え、国家情報院に「偽装事務室」を作り、検察が押収して行くための「偽文書」を用意させた。当時、国家情報院に派遣中だったチャン・ホジュン元釜山地検長が“実家の家族”たちを欺く先頭に立った。ナム元院長らは、国家情報院職員に捜査・裁判過程で虚偽の陳述をするよう指示もした。

 最高裁(大法院)2部(主審ノ・ジョンヒ最高裁判事)は14日、組織的に捜査を妨害した容疑(偽計公務執行妨害など)で裁判に付されたナム元国家情報院長ら関連者7人に懲役の実刑を宣告した原審を確定した。事件発生から6年目だ。

 ナム元院長が懲役3年6カ月、ソ・チョンホ元2次長が懲役2年6カ月、キム・ジンホン元心理戦団長が懲役2年、コ・イルヒョン元総合分析局長とムン・ジョンウク元対政府転覆局長がそれぞれ懲役1年6カ月を宣告された。検察出身のチャン元地検長が懲役1年、イ・ジェヨン元部長検事は懲役1年6カ月が確定した。ハ・ギョンジュン元国家情報院報道官は懲役1年に執行猶予2年を宣告された。

 当時、ナム元院長らは、検察の捜査で国家情報院の政治関与と大統領選挙介入の事実が露見しないよう対応するための「幹部陣・実務陣タスクフォース(TF)」を設けた。これを通じて偽装事務室を作り、国家情報院職員に偽証を指示した。職員が法廷に証人として出て行けないようロシア出張を命じもした。1審に続き控訴審も「検察の捜査で国家情報院の機能が縮小され、新たにスタートする(朴槿恵)政府に負担になると考え、検察の捜査と裁判を組織的に妨害した」として全員に有罪を宣告した。

 だが、控訴審は1審とは異なり、一部の被告人の職権乱用権利行使妨害容疑に対しては無罪を宣告した。最高裁もこれをそのまま確定した。国家情報院監察室長だったチャン元地検長が、監察室の職員に重要証拠書類を隠させたが、文書保安は監察室職員の「職務」であるため、職権乱用罪の言う「義務のないことをさせた時」には該当しないということだ。最高裁はまた、ムン・ジョンウク元局長がサムスンなどに特定保守団体に対し資金を支援させた容疑についても、「そうしたことは本来の国家情報院の職務ではないので、職権乱用は成立しない」という論理で無罪を宣告した原審を確定した。

 これは、司法壟断事件で起訴されたヤン・スンテ元最高裁長官らが主張する“職権乱用無罪論理”でもある。今回の国家情報院事件の主審であるノ・ジョンヒ最高裁判事は、2016年統合進歩党関連下級審の裁判長だった時期、『裁判所事務総局が樹立した判断方法』意見書などを事務総局から渡されていた事実が検察の捜査で明らかになった経緯がある。検察は「ヤン元最高裁長官らがノ・ジョンヒ裁判長に義務のないことをさせた」として、これを職権乱用疑惑に含めたことがある。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/885992.html韓国語原文入力:2019-03-14 20:21
訳J.S

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