2013年、チェ・ドンウク元検察総長の婚外子に関する情報収集過程で、朴槿恵(パク・クネ)政府時代の国家情報院が組織的に介入した情況が明らかになった。当時、大統領府もこの婚外子の写真を撮影しようとするなど、チェ元総長を不当に査察しようとしていた事実も追加で把握された。
ソウル中央地検国家情報院捜査チーム(チーム長パク・チャンホ)は、チェ元総長の婚外子に対する不法査察を指示したナム・ジェジュン元国家情報院長、ソ・チョンホ国家情報院2次長、S情報官など、当時の国家情報院関係者4人を、個人情報保護法違反などの容疑で起訴したと15日明らかにした。これと共に、婚外子関連情報を国家情報院に教えていながら裁判などで虚偽の証言をしたL元瑞草(ソチョ)区庁課長(先月17日拘束)をはじめ、K元家族関係登録チーム長、C元大統領府行政官らを偽証などの容疑で起訴したと明らかにした。L元課長は前日の裁判で自身の疑惑を認めた。
調査の結果、2013年検察が国家情報院コメント捜査で、ウォン・セフン元国家情報院長に対して公職選挙法違反容疑を適用し逮捕状を請求するという報道が出て来ると、国家情報院は検察の捜査を妨害するために同年6月7日、「チェ元総長婚外子諜報報告書」を作成し、ナム元院長とソ元2次長に報告した。その後“院長→2次長→国内情報収集部署長”を経てS情報官に当該諜報に対する検証の指示が通達されたという。これに対し、S情報官は同年6月10~11日にソウル市江南(カンナム)教育支援庁を通じて生徒生活記録簿を、また瑞草区庁を通じて家族関係登録簿をそれぞれ確認し、「児童が○○小学校5年に在学中。児童の父親の名前チェ・ドンウク。職業は科学者。児童が婚姻外の子は事実」と国家情報院指揮部に報告したと検察は明らかにした。
これは4年前の2014年捜査時の検察の結論とは相反する。当時検察は、S元情報官の陳述に基づき「S情報官が国家情報院指揮部の指示を受けずに瑞草区(ソチョグ)所在のある食堂のトイレで偶然に諜報を聞き、一人で確認した」という結論を出した。また、検察はS元情報官の要請により、婚外子の家族関係登録簿を問い合わせた瑞草区庁の加担者は、以前に起訴されたチョ・イジェ元瑞草区庁行政支援局長ではなく、L元課長であるという事実を確認した。2014年の捜査当時、検察は誰かが瑞草区長の前の面談控室の固定電話でS元情報官に婚外子の家族関係登録簿の内容を教えた事実を確認したが、現場には防犯カメラ等はなく、関連者の陳述だけでチョ元局長を起訴した。検察は関連事件の2審で一部無罪を宣告され、最高裁(大法院)で裁判中のチョ元局長に対しては上告を取り下げる予定だ。
検察は、当時大統領府民政首席室の関係者がチェ元総長の査察に関与した事実も追加で確認した。検察は、国家情報院で確認した情報の内容を、2013年6月10日頃に民政首席室も報告を受け知っており、同年6月中旬には民政首席室特別監査班の職員が当該小学校の所轄警察署に要請し、児童に対する写真撮影を試みたが失敗に終わった事実を把握した。検察関係者は「ただし、児童に対する写真撮影の試みは失敗に終わったことが確認され、未遂犯処罰規定がない職権乱用罪の適用は難しいとみて立件しなかった」と説明した。