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「北朝鮮、ハノイ決裂を避けるため折衝を試み」…米国が拒否

登録:2019-03-07 22:42 修正:2019-03-09 10:16
CNN、2・28朝米会談の開幕前と開幕後を紹介 
北朝鮮「寧辺カード」拡大し終盤に米国へ提案 
寧辺+αを要求した米国、交渉再開に応じず 
北朝鮮、交渉前にはポンペオ長官の面会要請を拒否 
金委員長、“寧辺”と“制裁解除”の交換可能を楽観したもよう
米国のドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長//ハンギョレ新聞社

 先月28日、ハノイで開かれた2回目の朝米首脳会談が成果なしで終わる直前、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長がなんとかして合意を導き出すために「寧辺のすべての施設」を解体するとして終盤の折衝を試みたが、米国がそれを受け入れなかったという報道が出てきた。合意失敗には「寧辺プラスアルファ」への米国の執着があったということだ。

 CNNは7日、二人の米国高位当局者の話を引用して、ドナルド・トランプ大統領が当日午前11時55分(現地時間)に予定された金委員長とのワーキングランチを取り消して、午後2時に「会談決裂」を宣言する記者会見に出る時まで、朝米間にあった終盤の綱引きを紹介した。

 朝米が今まで明らかにした合意失敗の理由を集めてみれば、北朝鮮は核開発の象徴である寧辺核施設を廃棄する見返りに国連安全保障理事会決議で施行されている民需経済と関連した5個の制裁の解除を要求した。これに対して米国は「寧辺より多くのもの」(トランプ大統領の28日記者会見)、すなわち北朝鮮が隠していると推定される追加核施設を非核化対象に含めることを北朝鮮に追加提案した。金委員長はこれを受け入れず、その時点で会談は決裂した。

 すると金委員長は米国を説得するために“寧辺”の値打ちを引き上げることを試みたという。彼は、トランプ大統領が会談場のメトロポールホテルを立ち去る直前に、チェ・ソンヒ外務省副相を米国当局者のもとに送り、寧辺解体に関する追加メッセージを伝えた。米国が寧辺の定義を明確にしてほしいと要求すると、チェ副首相は席をはずして再度訪ねてきて、寧辺核施設は「この施設に含まれる全てのもの」と念を押した。しかし、米国側はこの提案にも「(会談を再開するほどの)印象を得られなかったとし、結局会談は再開されなかった」と米国当局者は説明した。トランプ大統領は、記者会見の後、午後5時にワシントンに向かう「エアフォースワン」に身をのせた。ホワイトハウスはこれに対する事実確認を要請するCNNの質問に答えなかった。

 CNNは、米国官吏たちの発言を引用して「北朝鮮のこの最後の試みは(ハノイで)合意を導き出したいと考える金委員長の熱望を反映したものだった。しかし、それが米国の受け入れ可能な提案であったかは疑問」だと指摘した。チェ副首相はその後、ハノイで深夜の記者会見を自ら要望して「米国がこの提案を受け入れなかったことは、千載一遇の機会を逃したのと同じだ」と話した。

 一方、米国の当局者は、首脳会談が開かれる前に北朝鮮が終盤の高位級会談を回避したと明らかにした。トランプ大統領がハノイに向かった先月27日、先に到着していたマイク・ポンペオ国務長官は自身の交渉相手である金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長兼統一戦線部長に事前の面談を要請したという。数週間にわたる実務交渉にもかかわらず、両国間の異見が狭まらないので、両首脳がテーブルに向かい合って座る前に非核化に対する北朝鮮の意志をもう一度確認しようとしたのだ。

 しかし、金副委員長はポンペオ長官の要請に応じなかったとCNNは報道した。ポンペオ長官は数時間も金副委員長を待っていたが、結局落胆したという。北朝鮮のこうした態度は、金委員長が準備して行った「寧辺カード」でトランプ大統領を直接説得し、制裁解除を引き出すことができると楽観していたのではないかという分析を生んでいる。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/884959.html韓国語原文入力:2019-03-07 20:00
訳J.S

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