自由韓国党の指導部を選ぶ2・27全党大会が、極右性向の「太極旗部隊」に振り回され、論争の中心に立っている。昨年6月13日の地方選挙で“壊滅”に近い成績を残した保守野党が、8カ月の非常体制を終えた後、新指導部を選出することになるが、激烈な党員の主張に候補までが動揺し“再起の足場”となるべき党大会がむしろ自由韓国党の足を引っ張っているという指摘が出ている。
■“過激派”の遊び場となった全党大会
今月14日と18日にそれぞれ大田(テジョン)と大邱(テグ)で行われた合同演説会は、いわゆる「太極旗部隊」とみられる過激な党員らに“占領”された。主にキム・ジンテ候補支持者の彼らは、ライバル候補らを“アカ”と呼び、罵声を浴びせた。朴槿恵(パク・クネ)前大統領の熱烈な支持層である彼らに向け、候補たちも耳障りのよい発言に出ている。
朴槿恵政府の最後の首相であるファン・ギョアン候補は19日、党代表候補討論会で「朴前大統領が一銭でも受け取ったのかすら立証されていない。果たして弾劾が妥当なのか、私は同意できない」と明らかにした。これまで「朴槿恵弾劾」について明確な立場を示さなかったが、支持層の間で「裏切った朴槿恵派」の論議が広がると、立場表明に乗り出した。
自由韓国党代表選は責任党員、一般党員、代議員の投票(70%)と国民世論調査(30%)を合わせて反映する。“党心”の行方が代表選出に決定的な影響を及ぼす。党代表選出馬を念頭に置いたキム・ジンテ候補は、昨年10月前後に「太極旗部隊」の入党を積極的に推進したという。自由韓国党はこの頃に約8千人が新たに入党したと説明した。「キム・ジンテ支持者」と推定される人々は、全体選挙人団(37万8000人)の2%にすぎないが、荒っぽく盲目的な姿で党大会を混乱させている。
■振り回される候補たち…党内外で危機感
“太極旗の票”を狙った他の候補たちの過激発言も俎上に載せられた。「5・18妄言」の当事者であるキム・スンレ最高委員候補は演説会で「わたしを必ず助けてください」「保守女戦士になる」などと発言し、議論を“逆利用”している。キム・ジュンギョ青年最高委員候補は18日、演説会で「あんなのが大統領」「文在寅(ムン・ジェイン)を弾劾せよ」と述べ、党内外から批判を受け、20日に謝罪した。党関係者は「全党大会の現場とは違い、いわゆる太極旗勢力はごく一部に過ぎない」とし、「彼らに便乗した一部の候補らの過激な発言は党全体のイメージを損なうだけだ」と述べた。実際、最近の世論調査では大邱と60代以上など保守中心支持層の一部まで離脱し、党の支持率が下落傾向を見せている。14日に大田で行った合同演説会当時、他の候補らを揶揄する太極旗勢力に向かって「大韓愛国党へ行け」と一喝したチョ・デウォン最高委員候補は、「以前と変わらない支離滅裂な党の姿に、これまでの支持者までも失望している」と指摘した。
■時ならぬ弾劾論争…「一部の候補を煽る」
20日、自由韓国党の党代表候補のテレビ討論会では「弾劾論争」が繰り返された。ファン・ギョアン候補は前日、自分が明らかにした弾劾の立場をめぐり党内外で論議が起こると、「(憲法裁判所の)弾劾決定は尊重するが、弾劾の手続き上問題がある」と釈明した。すると、オ・セフン、キム・ジンテ候補から「手続き上の問題があるなら当時提起すべきだった」「先日は不当だと言っていたのに言葉を変えたのか」と攻撃を受けた。こうした中、自由韓国党のチョン・ジョンソプ議員は22日、国会で保守団体「ソウル大学トゥルースフォーラム」と共同で「国会が嘘の扇動に振り回され、弾劾訴追案を議決した」というテーマの討論会を主催することにし、論争が予想される。
ある親朴(朴槿恵派)系の重鎮議員は「太極旗部隊と5・18問題まで重なり、退行的な姿ばかり強調されているところへ、弾劾の話まで再び出ている」と言い、「総選挙で勝つには保守統合を必ず実現しなければならないのに、これでは誰が党代表になろうが拡張性が失われる」と述べた。政治コンサルティンググループ「ミン企画」のパク・ソンミン代表は、「前回の弾劾と地方選挙の局面を経て、党の合理的有権者層が離れたことも、党の自浄能力が低下した原因」だとし、「一部の候補がこうした状況を自分の持ち分を高めるのに利用している」と指摘した。