自由韓国党の一部議員の5・18光州(クァンジュ)民主化運動を歪曲する“妄言”に抗議し、国会前で座り込みをしている5・18被害者と遺族が13日、与野党5党指導部に相次いで会った。彼らは5・18当時の被害状況と苦痛を生々しく証言すると共に、「北朝鮮軍による5・18への侵入・介入」を主張するなどの歴史歪曲を強く糾弾した。また、国会のすべての政党がキム・ジンテ、キム・スンレ、イ・ジョンミョン議員の除名に協力することを求めた。
■「チ・マンウォンが主張した5・18北朝鮮軍の遺骨、検査してみると5歳の子ども」
同日午前、国会で開かれた民主平和党最高委員会議で、5・18被害者・遺族代表らはマイクを握り、「5・18への北朝鮮軍投入」などの主張は、「遺族の胸に釘を打ち込むようなこと」だとし、憤りを隠さなかった。ヤン・ヒスン5・18拘束負傷者会会長は「5・18墓地に埋葬された『無名烈士』が北朝鮮の特殊軍という極右のチ・マンウォン氏の主張を受け、無名烈士の遺骨を掘り起こしてDNA検査を行ったが、5~7歳の子どもであることが判明した。北朝鮮の特殊軍が5~7歳で韓国に潜入したというのか。全く話にならない」と批判した。「5月母親の家」のチョン・ヒョンエ理事長は、ひどく損傷された遺体を見て自分の息子ではないと言っていた母親が、22年後にDNA検査で息子だったことを確認した事例を証言した。「息子だと気づかないほど、ひどい仕打ちをした彼らに対する憤りを、一時も忘れたことがない。これまで涙を流してきた家族に、そのような妄言を吐くなんて、人としてあるまじき行為だ」と声を荒げた。キム・フシク民主化運動負傷者会会長は「5・18記念財団の地下室に行けば、(有功者名簿が)公開されている。同名異人と生年月日まですべて記録されている」とし、「偽有功者を明らかにすべき」という自由韓国党議員の名簿公開要求に反論した。
■自由韓国党のキム・ビョンジュン委員長、一旦頭を下げたが…
5・18被害者・遺族代表らは午後にはキム・ビョンジュン自由韓国党非常対策委員長と面会し、「所属議員の妄言に対し、党指導部が光州望月洞(マンウォルドン)墓地で、席藁待罪(犯した罪に対する処分を待つこと)し、北朝鮮軍侵入説に対する党の公式立場を明らかにすると共に、再発防止のための韓国版ホロコースト否定処罰法の制定に協力すべき」と要求した。妄言を吐いた3人に対する出党措置と、今後3人に対する除名案件が国会本会議に上程された場合、可決に加わることも求めた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が任命を拒否した自由韓国党推薦の5・18真相究明調査委員会委員を新しく選び、「(迅速に)真相調査委を正常化できないなら、委員の推薦を諦めるべき」と主張した。
キム非常対策委員長は「この場を借りてお詫び申し上げる」と頭を下げた。彼は「北朝鮮軍の浸透説は党の公式立場ではなく、司法的判断も下された状況なので、異論の余地がない」と述べた。「光州で非常対策委を開き、指導部全員が望月洞を参拝することを検討するよう指示した」と明らかにした。しかし、妄言を吐いた3人の所属議員をめぐる要求には「院内代表との協議ができなかった」と答え、真相調査委員の再推薦問題についても「早く処理するよう、院内代表に伝える」として、即答を避けた。
■光州・ソウルで妄言議員らの追放求める汎国民大会
自由韓国党を除いた与野党4党は自由韓国党の「妄言3人衆」の(国会からの)追放と処罰強化を5・18被害者・遺族に約束した。正しい未来党のパク・ジュソン議員は「チ・マンウォンは5・18を否定・歪曲する人物なので、法律的に断罪する必要がある。そのような法の共同発議に我が党も参加するよう努力する」と述べた。同党のユン・ソハ院内代表は「(5・18有功者は怪物だとした)キム・スンレ議員の表現を借りれば、遺族を侮辱した3人の議員が国会の怪物だ。除名し、国会から追放すべきだ」と述べた。
5・18団体は同日、国会記者会見で、16日に光州広域市で10万人以上の市民決起大会を、23日にはソウル光化門(クァンファムン)広場で汎国民大会を開き、「妄言3人衆」の追放と歴史歪曲処罰法の制定に向けた国民運動を展開すると発表した。同日、国会議員会館で「5・18歴史歪曲・捏造などに対する処罰案」の討論会を主催した共に民主党のホン・ヨンピョ院内代表は、5・18被害者・遺族代表らと面会し、「これ以上5・18民主抗争を歪曲したり誹謗できないよう、強力な特別法を作る」とし、「共に民主党が主導し、与野党4党が一緒に市民大会に参加できるよう努力する」と約束した。