本文に移動

京畿道、DMZに“国際平和駅”設置を推進

登録:2019-02-11 21:32 修正:2019-02-12 17:43
京畿道「南北鉄道連結に備えるべき」政府に提案 
南北共同出入境事務所設置…出入境審査の短縮を予想 
欧州・米国・香港など、国家間統合出入境事務所を運営
南北国際平和駅(統合CIQ)設置対象地域(地図左上から開城工業団地、板門駅、都羅山駅)=京畿道提供//ハンギョレ新聞社

 非武装地帯(DMZ)に仮称「南北国際平和駅」(統合CIQ)の造成が推進される。非武装地帯に韓国と北朝鮮の統合出入境事務所が設置されれば、南北平和の歴史的象徴物としての役割を果たすものと見られる。

 ホン・ジソン京畿道鉄道局長は11日、道庁でブリーフィングを開き「南北鉄道連結に備えて、非武装地帯の平和的活用のために非武装地帯内に南北国際平和駅の設置を中央政府に提案する」と明らかにした。

 南北国際平和駅が設置される場所は、京義(キョンウィ)線の南側にある都羅山(トラサン)駅から北に2.4キロメートル、北側の板門(パンムン)駅から南に4.4キロメートル地点の非武装地帯内だ。この駅が設置されれば、駅内に韓国と北朝鮮の統合出入境事務所(CIQ)が設置され、南北が共同で一つの場所で韓国と北朝鮮を行き来する利用客に対する出入国審査を1回で実施することになる。

 出入境事務所は、国家間の移動をする際に通る税関検査(Customs)、出入国管理(Immigration)、検疫(Quarantine)をする所だ。現在は、韓国と北朝鮮の間を出入りする利用客は、都羅山駅と板門駅でそれぞれ1回、計2回の出入国審査を受ける。だが、現在は事実上活用されずに陸路を通した南北往来が主流をなしている。

 ホン局長は「南北鉄道事業が完了し、南北間の民間交流が活性化する場合、統合出入境事務所を設置すれば利用客の不便を減らし出入国審査にともなう時間を短縮できるだろう」と話した。

 実際、現在中国~北朝鮮国際列車の場合、新義州(シンウィジュ)国境で両側の審査を受けるだけでそれぞれ2時間ずつ計4時間かかり、中間の移動時間は10分程度かかるが、統合出入境事務所を設置すれば時間が3分の1程度は減ると京畿道は予想した。

 京畿道は統合出入境事務所が非武装地帯に設置されれば、統合免税店を運営し利用客に韓国と北朝鮮の美味しい店や特産品売場などの便宜施設を提供する一方、周辺の非武装地帯観光商品と連係して非武装地帯観光に乗り出すなど、非武装地帯の平和空間化に寄与する象徴物として位置づけることができると見通した。

南北国際平和駅(統合CIQ)構想案=京畿道提供//ハンギョレ新聞社

 国家間移動の際に通る出入境事務所の統合設置運営は初めてではない。欧州と英国を往来する欧州のユーロスター国際列車の英国入国審査は、フランスのパリ北駅とベルギーのブリュッセル・ミディ駅に英国の審査官が派遣され、フランスとベルギー地域でなされている。

 また、米国とカナダのアムトラック西部路線も、バンクーバーの太平洋中央駅で米国とカナダの審査官が共同で勤務し、米国への事前出入国審査を進める。昨年9月に開通した香港~中国高速列車も、香港の九龍駅に中国の審査官が派遣され香港の審査官と共同で出入国審査を進める。

 京畿研究院のパク・ギョンチョル研究企画部長は「南北鉄道に国際列車を運行するためには、欧州や米国、カナダのように統合出入国審査をすることが重要だ。南北の統合出入境事務所機能を備えた国際平和駅は、このような点で選択でなく必須」だと話した。

ホン・ヨンドク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/881609.html韓国語原文入力:2019-02-11 13:27
訳J.S

関連記事