韓国と北朝鮮が10日まで非武装地帯(DMZ)にある試験撤収対象の監視警戒所(GP)から、兵力と火器をすべて取り除き、破壊作業に入った。南北はこれに先立ち、監視警戒所をそれぞれ1カ所ずつ保存することで合意した。
国防部は11日、「南北は試験的に撤収することにしたそれぞれ11カ所の監視警戒所で、兵力と火器を撤収する作業を10日までに完了した」と発表した。国防部の関係者は「私たちはすべての作業を完了しており、北朝鮮側もこれを順守したものと見られる」と話した。
南北は兵力と火器の撤収が成立したことを受け、直ちに施設物の破壊作業に入った。国防部の関係者は「兵力と火器を撤収する過程で、一部の監視警戒所を破壊する作業に入った」とし、「北朝鮮側も一部施設物を撤去する姿が観測された」と明らかにした。南北は安全と環境問題を考慮し、監視警戒所を爆破せず、掘削機で撤去することにした。
南北は今月末まで施設物の撤去が終われば、12月中に相互検証に入る計画だ。南北は試験撤収以降、すべての監視警戒所をなくすことで意見をまとめた。非武装地帯には南側に約60カ所、北側に約160カ所の監視警戒所があるものとされる。
南北はこれに先立ち、試験撤収対象の監視警戒所のうち、南側東海岸地域の1カ所、北側中部地域の1カ所を保存することで合意した。原形が保存される南側の東海岸の監視警戒所は、1953年の停戦協定締結直後に初めて設置されたものであり、「369警戒所」と呼ばれる。北側の監視警戒所から約580メートル離れている。山の頂上に設置されており、北側の海金剛(ヘグムガン)を一望できる。
北側は中部地域にあるカチル峰の監視所を保存対象に選んだという。カチル峰の監視所は2013年6月3日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が訪問したところで、南側の監視警戒所から約350メートル離れている。最高指導者が直接訪れたところという象徴性を考慮したものと見られる。