27~28日に開かれる第2回朝米首脳会談の場所が、ベトナムの首都ハノイに決まり、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がベトナムを“国賓訪問”する可能性が高まったという観測が出ている。金委員長のベトナム国賓訪問が実現する場合、朝米首脳会談と共に、北朝鮮のもう一つの“外交イベント”が繰り広げられる見通しだ。
2回目の朝米首脳会談を契機に、金委員長のベトナム国賓訪問が推進されているという観測は、これまでも外信を通じて繰り返し流れていた。北朝鮮が2回目の朝米首脳会談場所として、当初からリゾート地のダナンより首都のハノイを好んだのも、これを念頭に置いたためという分析も相次いだ。
国賓訪問は、最高の首脳外交形式だ。外国の首脳を国賓として招請した国は、公式訪問や実務訪問とは比較にならない最上の優遇と儀式を施す。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年3月、3日間の日程でベトナムを国賓訪問した。今回、金委員長の国賓訪問が実現すれば、ベトナムは1年間に南北首脳をそろって国賓として招いた国になる。
金委員長のベトナム国賓訪問がなされるならば、執権後初めてとなる。金委員長は今まで4回も中国を訪問したが、すべて非公式または公式訪問に終わった。ベトナムとしては、2回目の朝米首脳会談開催に劣らず、金委員長の国賓訪問自体が外交的成果になりうる。
金委員長のベトナム国賓訪問がなされる場合、朝米首脳会談の前に開くか、後に続くかは未知数だ。朝米首脳会談の前ならば、早目にハノイに到着しなければならない。金委員長は昨年の初の朝米首脳会談の時は、二日前にシンガポールに到着しリー・シェンロン首相と会ったが、国賓訪問ではなかった。金委員長が朝米首脳会談に集中しなければならない必要性を考慮すれば、後になる可能性が強いと思われる。
金委員長のハノイ訪問は、北朝鮮の最高指導者としては3番目だ。金日成(キム・イルソン)主席が1958年11月と1964年10月にハノイを訪問し、ホー・チ・ミン主席と会談したことがある。55年ぶりに北朝鮮の最高指導者がハノイを訪問することになる。長きにわたる社会主義兄弟国として、ベトナム戦争の血盟であり改革開放のモデルに浮上したベトナムとの関係を誇示する契機となる展望だ。