韓国政府は25日、開城(ケソン)工業団地参加企業の関係者らの訪朝申請を再び「承認留保」した。これで7度目だ。
統一部は「国際社会の理解」不足を主な理由に挙げた。国連と米国の対北朝鮮制裁を意識したという意味だ。南北首脳が「9月平壌共同宣言」で「条件が整い次第、開城工団と金剛山(クムガンサン)観光事業をまず正常化」すると約束したが、工団の再開でもなく、「施設点検」目的の訪朝さえも、先送りを続ける政府の決定に対する批判が高まっている。
一方、キム・グァンギル弁護士(法務法人地平)は、開城工団事業の「朝鮮半島平和への貢献」を名分に、国連の「包括的制裁免除」を引き出す案を、24日に行われた朝鮮半島平和フォーラム月例討論会で提案した。キム弁護士は、開城工団の法務チーム長として10年間働いており、北朝鮮制裁問題の専門家だ。まず、開城工業団地の周辺に南側の物流流通会社が運営する大型スーパーを設置し、団地参加企業は個別労働者らに支給された電子カードに賃金を振込んで、労働者が大型スーパーで品物を購入した後、電子カードで決済する3つの要素の結合が、同提案の主な内容だ。
この案は国連の制裁決議が禁止した「バルクキャッシュ」(大量破壊兵器の生産に流入する危険性のある大量の現金)問題と共に、工団稼動以降、国際労働界と人権運動側が問題視してきた「賃金支給の透明性不足」論争の同時解消を目指す。キム弁護士は「ドル現金を支給せず、個別労働者に賃金を直接渡せるようにして、透明性を確保すれば、『バルクキャッシュ』への懸念が解消され、工業団地再開の突破口を開くことができる」と説明した。これに先立ち、カン・ギョンファ外交部長官は11日、工団再開の解決方法を模索するためにも、「現金が流入しない方式」を研究する必要があると言及した。
これにより、国連の最後の制裁決議である第2397号の「朝鮮半島・北東アジアの平和と安定の維持、対話による解決努力、緊張緩和活動の歓迎・強化」(第27条)と「事案別の免除決定」(第25条)の条項に基づいて、開城工団事業の「朝鮮半島平和への貢献」が認められ、「包括的制裁免除」が可能になるというのが、キム弁護士の分析だ。
ただし、キム弁護士は「国連決議に対するこうした解釈と代案作りとは別に、対北朝鮮制裁レジームを主導する米国の政治的支持が必ず必要だ」と述べた。また「米国の態度の変化を引き出すには、政府と与党だけでなく、工団再開に対する野党の支持が必要だ」と強調した。結局、開城工団再開の扉を開くカギは、国外ではなく、国内の「広範囲な国民的合意」にあるということだ。