大統領府が金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長のソウル答礼訪問の時期について、早ければ3月末頃とみて準備していることが分かった。来月下旬に予想される2回目の朝米首脳会談の成果を基に、南北経済協力などで内実あるソウル南北首脳会談を実現しようという意が込められた発言と見られる。
大統領府の中核の関係者は22日「2回目の朝米首脳会談が予想通り2月末に開かれる場合、金委員長のソウル答礼訪問は早ければ3月末になると見る」と話した。彼は「金委員長とドナルド・トランプ米大統領が順調に首脳会談を終えるならば、対北朝鮮制裁が一定部分緩和ないし解除される可能性が高い」として「朝米首脳会談の合意を基に、南と北が経済分野を含む多くの分野でどのような協力、交流事業をできるか、十分に検討しなければならない。具体的に会談準備をするのに、実務期間が少なくとも一カ月は必要だ」と話した。この関係者は「この過程で、米国側と南北経済協力事業などが国連や米国の制裁と衝突する部分はないか、どの部分は制裁を迂回して推進できるかなども細かく調整しなければならない」と付け加えた。
金委員長の初めてのソウル訪問という形式に相応しく、南北双方がそろって体感できるだけの成果を上げられるよう、徹底した実務準備をするということだ。別の大統領府高位関係者は「昨年すでに3回の南北首脳会談をしたので、金委員長の警護や儀式などの準備は特に難しくない」としつつも「それ以上に重要なことは、朝米首脳会談がどの程度の成果を上げられるかだ。南北首脳会談の準備は、その後に始まると見なければならない」と話した。
南北経済協力は、南北の利害が一致する部分だ。文在寅大統領は10日、年頭記者懇談会で「南北経済協力は私たちの経済に新しい活力を吹き込む画期的な成長動力になるだろう」としながら「これは私たちだけにある機会であり、いつかは分からないが予定された祝福」だと話した。北朝鮮も金委員長の新年の辞などで、繰り返し開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光の再開を強調し、制裁の緩和を要求している。
一方、大統領府はこの日、ノ・ヨンミン秘書室長の主宰で南北共同宣言履行推進委員会第3回会議を開き、2回目の朝米首脳会談推進動向と対応方案、今年の南北共同宣言履行推進方向、3・1運動100周年南北共同記念事業推進現況などを点検した。履行推進委員長として初めて会議を主宰したノ室長は、「昨年、南北軍事当局間の相互敵対行為中止、共同警備区域(JSA)非武装化、休戦ライン監視警戒所(GP)試験撤収などにより、政治的・軍事的な緊張が画期的に緩和され、堅固な朝鮮半島の平和の土台が構築された」とし「こうした成果を基に、今年は昨年より一層劇的な変化が起きると期待する」と話した。