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「EU加盟国の多くが北朝鮮制裁履行に大きな関心がない」

登録:2018-11-24 01:29 修正:2018-11-24 15:46
欧州の朝鮮半島専門家のパルド教授  
「朝米首脳が会う状況で  
なぜ制裁を続けるのか疑問提起... 
ビーガン代表、先月欧州に来て 
北朝鮮の非核化に対するインセンティブを聞いた」
英キングス・カレッジのラモン・パチェコ・パルド教授が23日、ソウル鍾路区の外交部庁舎で記者団と会って話をしている//ハンギョレ新聞社

 「単純な数字で言えば、欧州連合(EU)加盟国の多数が(対北朝鮮)制裁の履行に大きな関心がない。一部の加盟国は、北朝鮮と米国の首脳が会う状況でなぜ我々が制裁履行に力を入れなければならないのか、なぜ制裁を続けなければならないのか、疑問を提起している」

 23日、ソウル鍾路区(チョンノグ)の外交部庁舍で記者団と会った英国キングス・カレッジのラモン・パチェコ・パルド教授は、朝鮮半島をめぐる情勢変化に対応して欧州で現れている気流の変化を伝えた。依然として対北朝鮮制裁に重点を置いている米国とは異なり、一部のEU国家では制裁への関心度が低い一方で、北朝鮮との対話のための人道支援など「インセンティブ」に関する議論が行われているという。スペイン出身のパルド教授は、韓国国際交流財団(KF)-ベルギーのブリュッセル自由大学(VUB)のコリアチェア(韓国碩座)として欧州で活発に活動する朝鮮半島専門家だ。

 パルド教授は、ドイツやフランスなどEUを主導する国家は「北朝鮮の完全な非核化後、北朝鮮制裁の解除を話し合える」という態度だが、全面的な制裁履行は別問題だと指摘した。一例として彼は「(国連安保理の決議上)制裁違反だが、ポーランドに北朝鮮労働者はかなりいる。加盟国もみな知っている事実だが、誰も何とも言わない」と語った。彼は昨年秋、自国に駐在する北朝鮮大使を追放したスペインとイタリアもこれを戻す措置について話し合っているとも紹介した。

 パルド教授は先月、米国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表が欧州歴訪当時、EU国家と対北朝鮮制裁に関する議論をしながらも「EUが北朝鮮の非核化措置にどのようなインセンティブを提供できるか聞いた」と伝えた。彼は「人道支援と(制裁の)例外などが言及された」とし、欧州企業の対北朝鮮産業視察を例に挙げた。また、「どの欧州の官僚も企業に対北制裁のため北朝鮮に行ってはならないとは言っていないと聞いている」とし、「かつてミャンマーが開放したときは欧州企業が立ち遅れすぎた。そこで教訓を得た」と分析した。

 パルド教授はEUが今後、北朝鮮核問題・北朝鮮問題で助力者の役割をするのにも関心が高いと説明した。1回目の朝米首脳会談の誘致の努力に続き、スウェーデンは2回目の朝米首脳会談は必ず誘致すると熱意を示していると付け加えた。東欧圏国家の「体制転換」を助けた経験を生かし、北朝鮮を国際社会に編入させるのに経済的な支援も可能だろうとの見通しを示した。さらに、まだ公開的に論議はできていないが、今後北朝鮮の非核化プロセスで核の平和的利用問題をめぐっても、欧州諸国が手助けすることができると伝えた。

 長い間北朝鮮問題を研究してきたパルド教授は、朝米交渉に臨む北朝鮮指導部の姿勢に「変化があると思う」とし、EU国家の北朝鮮関連業務を担当する官僚も自分と同じ意見だと付け加えた。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/871581.html韓国語原文入力:2018-11-23 19:35修正:2018-11-23 20:46
訳M.C

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