今月16日に京畿道とアジア太平洋平和交流協会が開催する「アジア太平洋の平和と繁栄のための国際大会」に出席するため韓国を訪れたイ・ジョンヒョク朝鮮アジア太平洋平和委員会副委員長が、南側の多くの人々のうちイ・ソクヒョン山林組合中央会長に会いたいと言ったことが確認された。これによって二人の面談が実現した。おそらく荒廃した北側の山や森の復旧のための要請と見られる。
リ副委員長ら北側代表団は15日、京畿道高陽市(コヤンシ)のエンブルホテルで、イ・ヘチャン共に民主党代表やイ・ジェミョン京畿道知事らとの晩餐で、イ・ソクヒョン山林組合中央会長の参加を要請した。これについて、山林組合中央会は「北側から『山林の復旧をどのように効率的にできるのか助言してほしい』という要請があり、いくつかの山林の復旧方法を説明した」と明らかにした。
山林庁傘下の山林科学院が2008年に発表した資料によると、北側は国土の80%が山岳だが、全体の山林の32%(ソウル市の面積の47倍)程度が現在荒廃している状態と推定される。このため、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が山林の復旧に特別な関心を示しているという。南北首脳が合意した協力事業のうち2番目が「山林復旧」という点がこれを裏付けている。こうした理由から、北側代表団が今回の訪問で、山林復旧の技術と専門人材を持つ山林組合に関心を示したものと見られる。
今回の北側代表団の訪問は、文在寅(ムン・ジェイン)政府発足後、北朝鮮の高官が韓国の地方政府を訪問した初の事例であり、山林問題のほかにもさまざまなテーマが話し合われた。訪問2日目のこの日午前、リ副委員長一行は板橋(パンギョ)のテクノバレーに立ち寄り、京畿道が開発中の自動運転車に乗って、午後には京畿道農業技術院を訪問し「スマートファーム」技術開発現場を視察した。
また、リ副委員長はこの日の昼、イ・ジェミョン知事とともに旧京畿知事の官邸である水原のグッドモーニングハウスで「長湍(チャンダン)平和御膳」で昼食をともにした。この昼食で、京畿道は坡州(パジュ)の長湍豆など南北境界地帯で生産された食材を使い、目を引いた。
リ副委員長は、昼食会が始まる前にイ知事から韓国で出版された越北小説家の李箕永(リ・ギヨン、1895~1984)の小説『故郷』をプレゼントされ、感慨に浸った。李箕永はリ副委員長の父親だ。李箕永の代表作『故郷』は1933~34年に「朝鮮日報」に連載された後出版された。