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「ベトナム戦争参戦軍人の過去と未来を尋ねる」シンポジウム

登録:2018-10-11 22:39 修正:2018-10-12 07:17
アジア平和人権連帯、12日に釜山市民運動支援センターで 
参戦軍人を支え過去を清算…和解の道を摸索
アジア平和人権連帯の「ベトナム戦争参戦軍人の過去と未来を尋ねる」シンポジウムのお知らせ=アジア平和人権連帯提供//ハンギョレ新聞社

 1972年6月、ベトナム中部のビンディエン省の省都クイニョン付近に駐留した韓国陸軍猛虎(メンホ)部隊の情報通訳将校であったパク・スンユ中佐は、敵の奇襲攻撃諜報を受けて偵察に出て、待ち伏せしていたベトコンの銃に撃たれ亡くなった。ベトナム戦争に派兵され半年にもならない時点だった。当時妻は38歳、子どもは4男2女で5番目のパク・スクキョンさんは5歳だった。それから32年が過ぎた2004年、スクキョンさんはベトナムのビンディエンを訪ねて行った。そこでスクキョンさんは、参戦軍人たちの苦痛を思い起こし謝罪と和解の道を考え、奨学事業を構想した。

 釜山・慶尚南道の移住労働者の人権団体「移住民と共に」付設のアジア平和人権連帯は、2007年から「故パク・スンユ韓ベ平和奨学基金」を作り、毎年ベトナムの子どもたちを支援している。スクキョンさんの家族は、奨学事業を通じてベトナムの人々から慰労を受けた。

 チョン・ジンソン釜山教育大学社会教育科教授が書いた『ビンディエン省へ行く道』の内容の一部だ。チョン教授は本で「参戦軍人は殺人鬼でも英雄でもない。家族の生計のために戦場へ向かっただけだ。だが、帰国した彼らは国家の無関心と大衆の嫌悪の対象になった。加害者であり被害者にならざるをえなかったまた別の被害者である参戦軍人を、私たちの社会が支えなければならない。また、参戦軍人自らが乗り出して、贖罪を通じて過去のもつれた糸を解かなければならない。それが痛みを治癒する唯一の道」と提示している。

 アジア平和人権連帯は12日午後6時30分、釜山市釜山鎮区(プサンジング)楊亭洞(ヤンジョンドン)の釜山市民運動支援センター革新ホールで「ベトナム戦争参戦軍人の過去と未来を尋ねる」シンポジウムを開く。参戦軍人の証言と苦言、過去の清算経験を通じてみたベトナム戦争参戦軍人問題などを主題とする討論が用意された。『ビンディエン省へ行く道』に対し韓国社会の各界が論評するかたちだ。

 人権連帯の関係者は「参戦軍人を批判したり弁護してきた既存の二分法的方式から抜け出し、その姿をありのままに認め、苦痛と責任に対する社会的共感を作っていくという趣旨だ。参戦軍人が自身の過去と未来を新しく眺められる契機を提供しようと考える。これを通じて参戦軍人が自ら喜んで贖罪と謝罪、和解の道に出ることになることを期待する」と話した。

釜山/キム・ヨンドン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/865389.html韓国語原文入力:2018-10-11 13:27
訳J.S

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